• 車でWALKMANが聴きたくなったあなたに。休憩編

    車 虎次 著

    清 兵衛 共著

     

    (この休憩編はいつもの千成表太郎氏が風邪をひきお休みなので双子の弟・不肖・車虎次が代わって筆を執ります。ひょうたんが気になる方は読み飛ばしてください。)新車が来た。多少は珍しいことだが、生まれて初めてでもない。とにかく嬉しい。運転席のドアを開け、座った時の、新車の香り。新しい期待感が体中に満ち溢れる瞬間だ。

    (写真はイメージです。)

    新車でWALKMANを聴こう。いままでのiPodはさよならに

     

    エンジンをかけ、いざ出発。なかなか調子がよろしい。いすの位置を調節したり、あれやこれや。でも、何かが足りない。そうだ、音楽だ。甘く、溶けるような音楽はエンジン音の一部だ。えーと、どれで聞くのかな。・・・わからない。いろいろ探したがわからない。もっとセールスマンに聞いとくべきだった。どうせどこかのスイッチを押せばラジオやカセットの音が出てくるだろう、そんな目論見はスカッとはずれだ。

    いざ出発。

    以前の車についていた音源は主にラジオ、CD、それからCDがハードディスクに録音された音源、もう一つ、iPodだった。CD録音のハードディスクは自動的に録音が進む簡単な仕組みだが、聞くときもCDと同じく曲順もそのままだ。しかし、iPodは好きな曲だけを順不同で入れることができ、それを聞く環境にできる、ちょっと優れものだ。それで納得すればこの話は終わり。しかし、そのうち使おうと思っていたWALKMANが家に余っており、この際これから新車に使いたい。iPodは嫌いだ。ついでに内容も一新したい。そう思ったのが運の尽き始めだった。

     

     

    家にあるWindows PC(一番左)と携帯音楽プレーヤー、いわゆるネットワークオーディオは古い順にiPod、WALKMAN、スマホの3台。(↑)2年ほど前に家じゅうのCDをPCに入力した。一部の曲を並び替え、組み合わせ、何種類かのプレイリストを作った。iPodにはそれがそのままおさまり、以前の車の中でよく聞いていた。でも、今回新車を思い切って買ったのをきっかけに不満だらけのプレイリストを作り直したい。ついでにWALKMANに載せ替えたい。どうすればCDからの音源をiPodからWALKMANに載せ替えられるのか、曲順の変更ができるのか。そんな案内本を本屋で見かけたことがないし、周囲で教えてくれる人もいない。この際その手順を忘れないうちにメモしておこう。

     

    まず、大もとのPCの現状。Windows 7が快適に動くノートPCだ。しかし、眺めているだけではiPodやWALKMANから音は出てこない。以前世の中の仕組みが単純だったころ、携帯音楽といえばカセットテープだった。きれいなWALKMANの口が巧妙に開き、カセットを神妙にセットすればもうそれで準備はおしまいだった。最もその前にレコードやCDから録音する儀式を乗り越えての話だが。PCにiPodをこすり付けても音は移らない。まずそれ用に音楽アプリをインストールする必要がある。この時点ですでに複雑だ。

    CDの内容をWALKMANに入力するには一旦音楽をPCに入れなければならない。もちろんそうでないパターンもあり得るが原則の手順を示そう。で、そのためにはただCDをPCの中に入れるだけではいけない。ラジカセにCDを入れるつもりだとうまくゆかない。音楽アプリを使わなければならない。まず、Windows PCには標準で音楽アプリ、ウインドウズメディアプレイヤーがついてくる。これを立ち上げておき、CDをPCに入れるとそこから急に世界が広がる。ウインドウズメディアプレイヤーで曲を取り込み、曲順を変え、いくつかのCDをあわせてお気に入りのCDを作ることができる。しかし、WALKMANなどの携帯プレイヤーに音を移し替えるのは少し不便だ。おそらくできるだろうがその機能を使ったことがなく知識もない。音楽アプリの2番手はiTunesだ。アップルから無料で簡単にダウンロードできる。iTunesと検索すればすぐに探せる。iTunesはウインドウズメディアプレイヤーよりもう少し使い勝手がよく、iTunes を起動させCDをPCに入れるとCD内容の録音はもとよりアップル社製iPodに内容を移す操作があっという間にできる。「同期」の表示が出てきて考えなしにデータの移行が終わっている。数年前にはこのiTunesを使いiPodにたっぷりCD内容を録音した。音楽アプリの3番手はXアプリだ。変な名前だが固有名詞なので仕方がない。SONY製のWALKMANに録音する場合、このアプリが必須だ。もちろんCD内容の取り込み、CDへの録音にも対応している。見た目にも操作が易しく、このアプリでPCのまま音楽を聴くのに重宝している。音楽アプリの4番手、Media Goだ。これはソニー製スマホへの音楽入力に使う。もちろんスマホで撮った写真、ビデオその他の管理にも使える。無料でダウンロード可。

     

    参考情報(SEより)
    おすすめのCDリッパー「CDex」について

     

    出無精な性格ゆえ家で音楽を聴く機会が多い。その時は操作性の良いXアプリを介しPCで直接曲を聴いている。今回あまり活用してなかったWALKMANにあらためて登場してもらおう。やっと車の話に戻った。今回購入した非高級車にはCDとラジオが標準装備だ。でも少しひねりが聴いている。正確に記すと少し違う。まずCD。そしてハードディスク音源。これはCDを入れるとそのまま自動録音してくれる優れものだ。曲名やアーティスト名も自動入力される。次、メディアオーディオだ。聞きなれないが携帯プレーヤー、WALKMANやiPodのことだ。それらを車に接続して使う。機械の形状に合わせケーブルが3本付属している。1本はiPod用だ。もう一つはUSBケーブル用で、一応WALKMANにつながる。次。まだある。Bluetoothだ。簡単に言えば無線だ。デジタル方式の無線通信で、家にあるWALKMANやスマホもこれに対応する。最後にSDカードだ。SDカードはメモリーカードの一つで、ここに音楽信号を入れて車で聞けるらしい。音源はてんこ盛り状態だ。

     

    参考情報(SEより)
    iTunes Matchを使えばiTunesミュージックライブラリをまるごとクラウドに保存できます。
    すべての曲をコンピュータや iOS デバイスで好きなときに聴けるようになります。

    (写真はイメージです。)

    新車WALKMANを受け付けず!

     

    まずは以前のiPodを持ち込み専用ケーブルでつないでみる。「メディアオーディオ」を介しあっさり問題なく曲が流れてくる。プレイリストも見える。すぐ切る。次はWALKMANだ。スマートに行こう。デジタル無線のBluetoothだ。簡単に設定、認識できた。さて、では音楽再生。でも音が出てこない。おかしい。では無線ではなく有線に変更だ。iPod同様「メディアオーディオ」用のUSBケーブルに接続。でも「認識していません。」の冷たい表示。何がいけなかったのだ。さっそくディーラーのセールスマンに聞きに行く。「WALKMAN?あーATRACですね。ソニー独自の形式なので認識しないんですよ。これはWMAかMP3しか読めません。」大ショック。さっそく家に帰り大元となるPCのXアプリを見てみると確かにATRACの形式が多い。

     

     

    音楽信号をPCに取り込む際、会社ごと、つまりアプリごとに音楽信号の形式が変わる。もともとCDに書いてある音楽信号の形式はWAVEというものだ。それをウインドウズメディアプレイヤーならMWAへ、XアプリならATRACに、iTunesならAACへ変換すると決まっている。もちろんCD録音の際設定を変えればWAVEそのままや、その他の信号に変えておくこともかなり自由にできる。しかし、一回取り込んだ形式をその他の形式に変えるのは少し大変だ。そもそもWAVEのままなら話は単純で、音楽データの移行はシンプルなのに。以前メモリーの容量が限られていた時代、といっても数年前までの話だが、そのころまで音楽データは他のPCの情報、データに比べ巨大だった。そのためこれらを圧縮し、PCでも音楽データを容易に扱えるようにするためのものがこれらの圧縮形式・圧縮音源だ。形式はぞろぞろ各社から出現し、今に至っている。いまどきメモリーカードなんで4ギガのUSBメモリーが数百円の時代だ。圧縮しないWAVEのまま、音質がいいまま音楽データを保存したい。よって家のPCには最近録音したものはすべてもとのCDのWAVE形式で入っている。それが一部WALKMANにも入ってる。その他ウインドウズメディアプレイヤーで標準に取り込んだWMA、XアプリのATRAC、どこから紛れ込んだのかMP4、AACの形式のものも多い。もう一度整理しよう。

     

    CD                    →WAVE

    ウインドウズメディアプレイヤー        →WMA

    Xアプリ                    →ATRAC

    iTunes                    →AAC

     

    複雑だ。この環境を理解しないと次には進めない。MP3が出てないがこの形式こそ圧縮音源の先駆けだ。安いケータイプレーヤーの形式だ。MP3のみを扱う機種は家にはない。ご先祖に敬意を表し、ほとんどのケータイプレーヤーはMP3もサポートしている。今回のささやかな新車が対応する音楽形式は上記のうちWMAとMP3、それとiPod接続のAACのみだ。お家の家庭事情が違った。

     

    参考情報(SEより)
    音声ファイル ~ 主なファイル形式と特徴 ~

     

    まず、大量に取り込んである音楽のデータ形式をXアプリ上で変更できないかどうかいろいろ探した。他の形式をWAVEに変換する機能はついている。当然だ。あらたにCDに録音する場合は当然それに変換するのだから。他はない。何もない。あっさりしている。ネットで調べた。XアプリとWMAを掛け合わせると、いくつかの無料変換ソフトの紹介記事が載っている。さっそく試してみた。が、英語形式で、しかもPCに疎いためかうまくゆかない。あきらめて近所のPCショップに出かけた。音楽の変換ソフトはありますか。「うーん、今うちに置いてあるものではありませんね。ちょっと前まではいくつかあったんだけどね。正直ネットで無料のものも出てるし。」取り合ってくれず。じゃあ、CDからの入れなおしだ!CDをPCに取り込む際にXアプリは圧縮形式を聞いてくる。もちろん聞くように簡単な設定をしてのことだが。書架からほこったCDを大量に取り出してくる。ため息が埃をそっと巻き上げる。まずはXアプリの内容の消去だ。いやそのまえにバックアップだ。幸いXアプリの使い勝手が良いため簡単にバックアップできた。といっても数十分はかかったが。それからXアプリの内容を全削除しようと思ったが、万が一のことも考え、Xアプリをインストールしていない別のPCで作業することにした。別のPCに新たにXアプリをインストール。数十分かかるも順調に進む。それから一気呵成にCD録音を始める。といっても以前のように自分の持てるCD図書館を作るような勢いではなく、今回聞く分の、気に入った曲だけこじんまりと抜き出す。CD一枚丸ごとのもあれば、数曲のものもある。1時間ほどで終了。くれぐれも形式はWMAだ。プレイリストも新たに作り直す。新しい酒は新しい袋に、だ。できたてほやほやのところで手持ちぶたさとなっていたWALKMAN登場。単独で以前の内容をすべて消去できた。その後PCに接続し、「機器への転送」を押し、いろいろ操作する。新しい内容を簡単転送。もう録音とも言わない時代だ。あっさり終了した。

     

     この時の筆者の心情(意気軒昂)

     

    WALKMANを新車で再生。するも今度はプレイリスト再生できず

     

    さっそく新車へ持ってゆく。エンジンをかけおもむろに再生開始。何も反応なし。「転送中」の冷たい表示のみ。いろいろ試すうち、WALKMAN側で再生スイッチを押すといきなりさわやかな音が聞こえてきた。車が生き返る。嬉しい。しかし車側からコントロールできないらしい。おまけにプレイリストが出てこないぞ。Bluetoothの設定がおかしいのかな。では有線接続、メディアオーディオだ。USBコネクターに専用線をつなげてと。どーだ、と思ってもこちらは「認識されません」の表示のみ。音も出ない。まさにぐーのねも出ない。この日はここまで。すごすご引き上げる。

     

    プレイリストが出ない。プレイリストこそ聞きたい曲を聴きたい雰囲気で聞きたい順に聞ける最大の武器なのに。自分の「ベストCD」ができない。PCにつなぎ直しXアプリと格闘するもできない。確かにXアプリ上にはプレイリスト作成のタブがあり、PC上では完璧にできているはずなのに。転送も指示通り行っている。WALKMANは悪くない。車がパーだ。さっそく車屋さんに告げ口。「いやー、iPodとの連携は取れているんですけどねー。WALKMANはどうですかね…」え―!そうなんですか。じゃあどのWALKMANの機種が対応しているか教えてください。「はあ、少しお時間いただきます。」とのこと。車屋さんにさらに迫る。もう少し詳しい説明書はないんですか。通り一遍で説明がわからないんですけど。みんなどうしてるんですか。「詳しい説明書はありません。ほとんどのみなさんは最初からあきらめます。」とこれには自信たっぷりの返事。

     

     その時の車屋の口元。(イメージです)

     

    仕方なく古いiPodの中身を入れ替えて新車の気分を。

     

    WALKMANは最近の新車に事実上対応してない。しっかりしろ、ソニー。嫌いなiPodで出直すか。別のPCでの作業はやめ、自分のPCで作業に専念することにした。別のPCで行ったXアプリの新しい内容をすべてバックアップし、自分のPCのXアプリに移す。その前にすべての過去のデーターをXアプリ上から消去した。さよなら、過去の音楽たちよ。新しくXアプリ上に別のPCの音楽データを入れなおし、はたと考えた。iPodに入れなおすのならiTunesだよな。さっそくネットからダウンロード。こちらはすぐに、数分で終了。Xアプリ上の音楽データをiTunesに移さなければいけない。両方を開き、Xアプリ上の曲をつまんでiTunes上に移す。うまくゆかない。バツ印が出てこのままでは移せない。うーん、困った。XアプリとiTunesを掛け合わせ、ネット検索。いろいろ出ているがどれもこれもXアプリはソニー独自のATRAC仕様なのでそのままではiTunesに移せないと書いてある。このアプリを使えばよい、とお勧めのソフトはある。でもその力量がおそらくないのでその方法はパス。そもそもXアプリに取り込んだ時点でATRACではなくわざわざWMA仕様にしてあるのに。一部のネット情報で音楽データを生のまま取り出して、iTunes上に張り付けてみる手法があるとさらりと書いてあった。生のデータ!本当の音楽データは今見えているXアプリやiTunes上にあるのではなく、PCのどこかにあるという。どこだ?まずCドライブだ。次は?わからない。Xアプリ上にある、とある曲を右クリックすると「詳細」項目があり、見てみる。と細かくそのデータ場所が記載されている。住所だと思えばいい。ものすごく長い。それを見ながら探ってゆく。Cドライブ→ユーザー→パブリック→パブリックのミュージック→Sony Mediaplayer X→Shared→Music、でやっと音楽用のフォルダーが出てくる。そのフォルダーに生の音楽データ(曲)が入っている。

     

    俺たちも楽じゃないよ。(音楽のつぶやく声のイメージ)

     

    深い!深すぎ。今どきの地下鉄じゃあるまいし、こんなところじゃわかりません。でもわかってしまえば簡単。さっそくそこから曲をつかんでiPod上に移す。うまく入ってゆく。もちろん移した途端iTunes標準形式のAACに変更することを求められる。答えは「はい」だ。あるものは1曲づつ、あるものはまとめてiPod上に移行した。少しおかしなことに気が付いた。先ほど削除したはずなのにフォルダーの中に以前の曲が残っている。今回入れた曲ももちろん残っている。右クリックし、詳細を見るとデータ形式が違うことがわかる。以前のMP4やATRACは無視し、今回のWMAのみを気を付けてiTunesへ移行する。プレイリスト数個分、数十曲分の処理で10分前後で終了。なお、以前のデータでCドライブ→ユーザー→車虎次→Music→と続く収納場所もあることが分かった。要注意。XアプリやiTunesで見えている楽曲データは実は実物ではなく、PC奥深くにしまってある楽曲データを見ている虚像にすぎないことが実感できた。

     

     

    iTunesにデータが移ったら、そこからiPodへの曲移行はほぼ自動でゆく。出来上がってすぐにさっそく小さな新車に持って行き確認。iPod特有のいやらしい音が出るのと、プレイリストもしっかり表示される。とりあえずほっと一息。

      筆者自宅亭で夕刻静かに雅楽を楽しむ(のイメージ)

     

    iTunesを操作していてわかったことが一つある。以前の古い楽曲の入ったiPodのデータを今持っているPCに移してから新しいPCのデータを移そうと思った時のことだ。以前の楽曲データはやはり以前のPCを使ってiPodに移した覚えがある。以前のPCはもう使っていない。iPod内の古いデータを新しいPCに移そうとしたところ以前のiTunesではないためデータを移せませんとの表示が出てきた。Xアプリだと関係なくWALKMANからPCへ、PCからWALKMANへ移行は自由だ。iPodの古い楽曲データは霧となって消えていった。ただし、そのさいiTunesがしつこくネット上でなにやら確認作業を行っている。どうしてだろうと思ったら、以前アップルストアで購入した数曲のデータが生きていて、今のPCへとiPodから移行できていた。ちなみにXアプリで購入した楽曲データはiTunesに移せない。

     

    実はWALKMANはプレイリスト対応していた>>(筆者のもの)>>車から操作不可

     

    何かが足りない。そうだ。WALKMANだ。車屋さんからあれ以降返事はない。もう少しWALKMANを見てみよう。不思議なことにWALKMANは自分自身で曲の出し入れができない。インターネット経由で曲を購入したり、削除することは可能らしいが。いわくつきのWALKMANをいじっていて気が付いた。プレイリスト表示がない。操作可能な範囲はごくわずかだ。しまった!もともとこのタイプのWALKMANはプレイリスト対応していなかったのか。あわててネットでWALKMANのページを探し、見てみる。するとプレイリスト対応でないWALKMANの機種が実に多いではないか。最近発売されたソニーの最新スマホが「プレイリスト対応!」と宣伝している。つまりは今までプレイリスト対応していなかったものが多いということだ。大ショック。ちっぽけなiPodは昔から対応しているのに。車屋さんはお怒りになっているかもしれない。恐るおそる自分の持っているWALKMANの形式の取説を見ると、やはりプレイリスト対応とは正面切って書いていない。残念無念。がっかりして情けないWALKMANをいろいろいじってみる。まず一番目立つ正面左上に「ライブラリ」のタブがある。これを押し、出てくる表示をずっと右に送ってゆくと、あった!「プレイリスト」のタブが。

     

     

    まったくわからなかった。そっとそのタブを押すとだーっとプレイリスト表示があふれてきた。なんだよ、まったく。じゃあ結局プレイリスト再生ができないのは低性能低脳新車が原因なんだ。

      日が暮れて、道なお遠しWALKMAN。

     

    ソニー製スマホの音楽再生に挑戦。しかし大爆発!

     

    WALKMANに今のところ勝ち目はない。iPod先行を許すが、釈然としない。今度はソニー製スマホを取り出す。第三の矢だ。Bluetooth機能がついており、今までも車内でのハンズフリーホンとして重宝している。前車でも同じ環境だった。しかし惜しいかな、Bluetoothでもオーディオ規格のそれ(A2DP ; Advanced Audio Distribution Profile)を同時に車内で使用することはできなかった。今回のささやかな新車はハンズフリーホンのBluetooth(HSP ; Headset Profile)とオーディオのBluetooth両方同時に使える。バカだが気が利く。で、手持ちのソニー製スマホに楽曲を入れ込み、これ一台で用をこなせるようにしたい。ソニー製スマホのデータやり取りはMedia Goを介する。以前からインストールしてあったがあまり使う機会がなかった。Media Goを立ち上げると、すでにXアプリから自動で楽曲データが入っている。しかし、残念ながらプレイリストまでは入ってない。仕方なくプレイリストを手作業で作成した。以前のスマホ内楽曲データを消去する。

     

    ちなみにこの消去はスマホ側ではできない。ちょっとしたコツが必要になるのでここで解説する。まずMedia Goのページ左上にあるXperia a…(実は続きが隠れていて見えない)をダブルクリックする。シングルクリックではいけない。ダブルクリックするとその下に「ミュージック」「ムービーとホームビデオ」などの項目が下に新たに現れる。その「ミュージック」を今度はシングルクリックし、右側に現れた曲群のどれか一つをクリックする。どの曲でもよい。そして左上の「編集」→「すべて選択」→「削除」でスマホ内の楽曲は完全削除だ。その後は新しい曲をPCから空になったスマホへ転送だ。左わきの「ライブラリ」の下にある「ミュージック」をシングルクリック、どれか一つクリックして左上の「編集」」→「すべて選択」→右下の「転送」で終了。うまくゆく。同じ会社のものは当然相性がいい。

     

    肝心のプレイリストは?スマホ側の「WALKMAN」→「マイミュージック」で「プレイリスト」が出てきた。期待を込めてタッチする。どーだ。何も出ない。何も出ない。頑張ってMedia Goでプレイリストを作ったのに反映されていない。「プレイリスト」をタッチすると「新規プレイリストの作成」タブがあり、そこからは手動で進めてゆくしかない。手間がかかる作業だが何とか半分だけ終わらせる。後は明日だ。夜も更けた。

     

    翌日さっそく生まれ変わったスマホを持って車に乗り込む。まずはBluetooth再生だ。スムースに音は出てくる。少し音は小さいが。ただし例のごとく車側にプレイリストは表示されない。スマホ側にはプレイリストが出ているのでどこかにスマホを置き無理すればプレイリストの確認はできる。つまり無理すれば一応プレイリスト再生もできる。この状態でメディアプレイヤー接続(有線接続)のiPodに切り替えて聴けるのかな。ためしにiPodに切り替えてみた。切り替えた途端だーん!という感じでiPodの大音響が耳の後ろでさく裂した。

     

     

    音量が大きすぎたのだ。危険だ。あわてて音量を絞る。スピーカーが破損するか、鼓膜が破けるかのどちらか。しばらく耳が聞こえにくい。そういえばスマホをさっきBluetooth接続したときに妙に音が小さくて音量を大きくしたっけ。自らの不注意だが車会社の設計者はおそらくこんな事態が起こりうることを予想だにしないだろう。完全な調整不足。スマホ一台車に持ち込めばBluetooth音楽とBluetoothハンズフリーホン両方の用が足せる試みは一応成功したが、半分は今のところ失敗に終わっている。まだ耳が痛い。耳寄りな話がないか探してみるつもり。WALKMAN側の音量を大きくしようとか、いろいろ考えている。プレイリスト表示が車側でできないことと他のメディアとの音量バランスが悪すぎること。しばらくはそれをネタにiPodを生かしておこう。

     

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    参考情報(SEより)
    Apple CarPlay ドライブに、最高のiPhone体験を。

     

    腹の立った翌日もスマホを車内に持ち込み検証。あらかじめスマホの音量を最大に近くしておいて、車側の音量をなるべく絞って音楽スタート。スタートは車側の操作で可能だが、先に述べたとおりプレイリスト再生表示は車側に出ない。スマホ側でのみ表示される。耳を塞いでいた両手をそっと外すと、穏やかな音が聞こえてくる。今度はそのまま有線接続のiPod音源に切り替え。きつく塞いだ手を耳から外しても音量は先ほどとあまり変わらない。教訓その1。Bluetooth接続でもアナログ式オーディオ機械の接続と同様送り出し側の音量調節が必要となる。教訓その2。筆者のスマホ音量は最初からかなり大きくしておく。少なくとも8割がたの音量にしておけばiPodその他の音源の音量と釣り合う。教訓その3。スマホ単独で、つまり車外でうっかりスマホ音楽を聴くときは耳がつぶれる恐れあり。教訓その4。教訓その2、その3を考えやっぱりスマホの音量は小さくしておき、車内でスマホ音楽は聞かない。iPodにまかせる。なんだ、つまらない!

     

    あくる日も笑う歌声iPod、車内にこもるアップルの風  詠み人知らず

     ヤケ酒はほどほどに。車とお酒は利益相反関係にあります。

     

    量産編へ続く

     

    「車でWALKMANが聴きたくなったあなたに。休憩編」の続編は
    院長推薦夜話「昭和型人間の夏休み自由研究」となります。
    どうぞご覧ください。