• その2

    by  • 2014年8月19日 • 未分類

    ひょうたん誕生悪戦苦闘記

    筆者    千成表太郎     Hyotaro SENNARI

                            共著    清兵衛        Bay SEI

     

    平成24年11月より記す、の巻。

     

     

    塗装編     その1

     

    最終段階に近づいてきた。塗装工程はひょうたん美術のかなりの部分を占める。しかも難易度が高く、それなりに独創性も要求される。

     

     

     

    塗装前史        混沌塗装序曲

     

    古くからの慣習でひょうたんの塗装は漆、又はカシューと決まっている。筆者も例年カシューを用い数多くのひょうたん塗装を行ってきた。カシューの塗膜はその他の塗装に比べ、圧倒的に輝きの質が良い。深み、と表現しよう。(↑左右)カシューの前にもいろいろな塗装を試してはいる。筆者の思い付きと、ホームセンターにある塗料の価格で気軽に決めた方法だ。偶然の要素も多分にある。雑多な理由を経て、結果的に現時点でひょうたんに満足のいく塗装を施し得るのはカシューのみだ。

     

    1 最初は水性ペイントの刷毛塗りから始めた。小学校の図工で教わる手法。高さ10 cm大の小さな缶がホームセンターにひっそりと置いてある。出来栄えは単に色がついているだけで「よくできました。」レベルだ。(価値がないので写真もなし)

     

    2 次にウレタンスプレーを試した。これもホームセンターに我が物顔、一番元気に置いてあるスプレー缶だ。お手軽に使える。下塗りもなし。実はあっという間に完成する。この場合色をべたっとぬる、いわゆるペンキ塗り、エナメル塗りになる。ひょうたんに似合う色は若葉色と茶色と筆者は勝手に決めている。結果は半分成功で、半分失敗だ。(↓左右)

     

     

    ひょうたん本来の薄い緑色にする場合、それなりに色調の表現法は良い。つまり緑は鮮やかだ。おもちゃ売り場のボーリングのピンの方がもっと鮮やかだがそれなりに成功だ。失敗ではない。逆に茶系統の色の場合、民芸品店においてあるレベルになると思う。茶色を重ね塗りした場合一応きれいだが、どうしても色の深みが出ない。よく光るが不自然でひょうたんの木質に合わないと思う。

     

    3 二液性ウレタン塗料+刷毛塗りも試した。これは現在の工業製品に最もよく用いられている塗料の一つで、塗装の教科書の最初に出てくる。頑張って水性ステイン(水性の染料)を下地にし茶系統の色調を改善しようと試みた。茶色の色調は出たが、色の深みがどうしても中途半端だ。ひょうたんの木質感が中途半端に感じる。(くやしいので写真なし)多分に筆者の塗装技術が低いせいだ。少しづつ手法を変え試したがうまくゆかなかった。現段階では未解決だ。なんとか「鬼門」を脱したい。

     

     

    4 最後は漆だ。(↑)もちろん筆者に漆の使用経験はない。これは偶然の頂きものだ。以前にもお見せしたが、大変立派な超大型天然ひょうたんで、黒漆を用いた芸術品だ。自立もする。スマホの大きさと比べてその巨大さにひれ伏すことだろう。漆黒の表現法はカラスも舌を巻く。人類史上ひょうたん芸術において最高峰の作品の一つと思われる。残念だがあまり温かみを感じない。情緒的な言い方で申し訳ないが、愛着がわかない。かわいそうに。道端に止まってるよく磨かれた黒塗りハイヤーのボンネットと同じだ。失礼なので超高級なお盆と言い換えよう。すぐ後でその理由を考察する。きっと漆は悪くなく、塗装対象物に負け惜しみをしているのかも。

     

     

    漆の評価が低いのはけしからん、とお考えの諸兄も多いと思う。筆者は決して漆の品質そのものが悪いとは思わない。この写真は刀の鞘だ。塗装は漆。(↑左右)妥協のない最高級品質だ。職人技の結晶であり、値段も最高級だ。∴ 筆者にはまねできない。何世代もの職人が心血を注いで築き上げた伝統に筆者は刃向わない。この刀で成敗されそうだ。啓して遠ざけよう。

     

    塗装の責務        塗装の背負う十字架

     

     

    まねのできない刀の鞘に続き、今度はさらに難しく最高水準に塗装された工業製品を紹介しておこう。自動車の内装に用いられるウッドパネルは現代工業製品の中でも最高級の塗装品質が要求される。これは筆者の乗るあまり高級でない国産車の一例。高級車レクサスになると、装着されるウッドパネルは先日読んだ自動車雑誌に製造工程が紹介されており、なんとその木質の厚さは0.3 mmだ。たった!筆者がそのうち乗る予定の超高級車ロールスのウオールナット仕様を今お見せできないのは少し残念だ。(こうご期待。)

            完璧な品質の工業製品例だが

                        形×、密度○、輝き×、貴重性× =感激度××

            形△、密度×、輝き○、貴重性× =感激度×

    DSC 0841

     

            形△、密度×、輝き○、貴重性○ =感激度×

        形◎、密度◎、輝き◎、貴重性◎ =感激度◎

    50%(刀匠 吉原義人作 無鑑査 出典 平成名刀会HPより)

     

    形◎、密度◎、輝き○、貴重性◎ =感激度◎

    50%(F-15戦闘機 出典 航空自衛隊HP)

     

    ここまで筆者が施した塗装例、筆者が施せなくとも横目でにらむ塗装例をいくつか挙げてきた。人類は様々なひょうたんを手にし、様々な塗装をそれに施してきた。人々に感激を与えた塗装の条件とはなんだろう。上に掲げたいくつかの写真をご覧になって何かを感じた方もいると思う。形の良いひょうたんに上質な塗装を施しただけでは十分でないと思う。この塗装編では未来にわたり永遠に人を感動させるひょうたんの塗装を目指したい。どうすればよいか。いまだ筆者に正解は浮かばない。筆者が馬のような年を重ねて見つけた「感激させる」塗装は大きく二種類に分かれる。芸術家、熟練職人のみが成しえる美術的高価値の塗装。美術館に行けば目の当たりにできる。もう一つ、最高品質の工業製品に付随した工学的高水準の塗装。レクサスの塗装をみてみよう。美術的高価値の塗装、工学的高水準の塗装いずれがめざすべきひょうたんの塗装か。伝統か、科学か。ヒントは意外と身近にあると思う。例を挙げて考えてみよう。(↑5枚)身の回りに氾濫する日本の工業製品は多くがすでに完璧な品質だ。むろん工学的塗装品質も最高だ。しかし、高品質でも百円ライター群は人を感激させない。(↑一番上)塗装の完璧さのみを考えると次の写真のあめ缶は工学的に優等生だ。(↑上から2番目)これ以上磨けないほどつるつるしている。しかし、形が凡庸で工業製品なので感激はしない。つまり美術的価値はない。かわいそうに。次の漆器は完璧な美術工芸品だ。(↑上から3番目)美術的価値は高い。しかし、少ししゃれたお菓子の缶でも似たようなものはありそうだ。単純に塗装か、形で完璧さを目指すだけでは高品質な美術品もありきたりの工業製品的感覚に陥る。何がいけないか。芸術論は難解なのでここで深入りはしない。最低限の事実のみ述べよう。心惹かれる上質さ、感激の要素には最低条件とその組み合わせがある。日本刀は高品質で知られる最高の美術品だ。鋼の地肌はどんな塗装より雄弁だ。(↑上から4番目)F-15戦闘機は芸術品ではないが、並みの高級芸術品をはるかにしのぐ凄味、気迫が迫る。(↑上から5番目)お値段も100億円以上する。まとめよう。勘のいい読者は気づいているかもしれない。解説するとこうだ。フェラーリ○、ワンボックスの軽自動車×。精密腕時計○ホームセンターの壁掛時計×。青空○、曇天×。ダイヤモンド○、ビー玉×。つまり形、密度、輝き、さらに貴重性(あるいは非日常)だ。心惹かれるひょうたん塗装のヒントが出たようだ。塗装に課された十字架は塗装している本体と一蓮托生なことだ。本体無くして塗装はありえない。塗装無くして本体もない。方程式の解は読者に期待する。筆者はこの道筋を追い求めてゆく。

     

    寄り道が過ぎた。現実の塗装に話をもどそう。完成された美術工芸品は確かな熟練工の技、工業製品は専門的塗装工学技術に裏打ちされ初めて完成する。筆者が見よう見まねでそれらのレベルに到達することは不可能だ。ひょうたんが美術品として上質なレベルに達するには筆者が熟練塗装工、漆職人、あるいは塗師と呼ばれる日を待たねばならない。ひょうたんを工業製品として高水準で完成させるには高水準の成形装置、塗装技術、精密機械が必要だ。いずれも見込み薄だ。この塗装編では未熟な腕前でもよく工夫をし、利用できる範囲の最新塗装技術、塗料を用い、その組み合わせで熟練の技、高水準の工業製品に迫る塗装をひょうたんに施そうと思う。さらには形、密度、輝き、さらに貴重性を大切に持ち続けられる空気を味方につけたい。ひょうたん本体にも手抜きはできない。

     

     

    塗装戦線に出撃        カシューへの道

     

    やっとカシューが登場する。カシューの場合、エナメル塗り(ペンキ塗りのようなもの)と、木目が透けて見える半透明な塗り方の選択ができる。この半透明な塗り方こそ色の深み、質感、輝きの点で前記の(筆者が)失敗した様々な塗装法を圧倒する。まるで厚い琥珀がひょうたんを硬くきれいに包み込み、そのまま宝石へと昇華したかのごとくだ。ひょうたん芸術ここに極まれり。この章の塗装はカシューの半透明塗りがトップバッターだ。しかし、実はこの偉大なるカシュー塗装にも宿命ともいえる欠点が存在する。今年はそれを是非にも乗り越えたいと思う。数十万年の人類史上を振り返りひょうたん芸術初の爆発的ブレークスルーとなるか。

     

    今までは・・・塗装に詳しくない方、塗装に詳しい専門家の方は無視しよう!塗装の知識が中くらいで、批判精神のない方のみこの項目を参照可能。

    成形加工篇の後、下塗りに2液ウレタン塗料「8号ストップシーラー」+顔料着色剤「リベラカラー・イエローナチュラル」を少量混ぜ使用。中塗りとしてもう一度同じ工程をする。仕上げ(上塗り)として「カシューネオクリアー」、「カシュークリアー」を計10~12回塗る。カシューシンナー刷毛塗用を20%使用。各工程間は400番でやすりがけし、1~2日間あける。この手法は大橋塗料株式会社さん、カシュー株式会社さんのHPに記載されているカシュー項目の工程表を参考にさせていただいた。仕上がりにはまずまず満足している。

     

    偉大なるカシュー塗装、その問題点①    刷毛塗りなので刷毛代がお高い。(↓)人類史上の話が出た割にはぷあーだ。しかし、偉大なる出発点とはえてして小さな動機から始まるものだ。

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    半透明なカシュー塗りは10回前後重ね塗りする。一回一回が真剣勝負だ。ものの本には使用後の刷毛をカシュー用シンナーでよく洗浄し再利用すると書いてある。しかし、洗浄しても刷毛はある程度きれいになるものの真剣勝負の筆心地にならない。半透明の塗り方では一か所でも塗り方が失敗するとアウトだ。失敗こそよく目立つ。毛が一本抜けて表面に張り付くだけでもいけない。1か所の液ダレもダメ。そうなってしまった場合数日待ってよく乾かした後、240番のやすりで辺り一面大胆に削り直しをしないといけない。数回分のカシュー塗装が削れてしまう。一気に3学年下がる落第コースになる。そんなリスクを冒したくなければ多少のお値段に目をつぶり、新品の筆を選んでしまう。掛けることの10倍だ。さらにカシューの半透明な色調を少し変えたり、シンナーの濃さを変えたりしたくなる。つまり同じ筆は使えない。結局廃棄される筆は山の如しだ。(↓)DSC 786-2 4%

     

     

    余談だがカシューが付着したティッシュペーパー、布等は後々自然発火する危険があるらしい。使用後の筆はカシューが周囲につかないよう大量のティッシュペーパーにくるんで捨てる。筆者はこれらを使わなくなった古い鍋にいったんためることにしている。水を浸しておくとなお安全だ。残念ながらこれでカシューナッツのスープはできない。できそうだが。上の写真は撮影用にコンロに載せてあるが、もちろん加熱してはいけない。

     

     

    偉大なるカシュー塗装、その問題点②    次は刷毛とカシューの汚染だ。数個または十数個のひょうたんをベルトコンベアー式に同じ筆で刷毛塗りすることも可能だ。一応は。効率的だ。気を付けなければいけないのはいい気でカシューを次々刷毛塗りしていると、刷毛も、カシュー液も汚れてくることだ。気づかずに塗ってると最後は細かいだまのような汚染物質(カシューの固まったゴミか?)が最後の方のひょうたんにこびりついている。これも完全アウトだ。(↑)上の写真左は液ダレ、右は最後に刷毛塗りして出現したカシューの汚染物質。液ダレのカシューもよく見ると濁ってる。もーだめ。

     

     

    偉大なるカシュー塗装、その問題点③    カシューをエアブラシ、スプレーガンで塗装したくてもそれらの詳細な塗装法が見当たらない。実践レベルの解説書がない。文献検索が不適切だと思うが知識不足は未だに解決できない。書店ではそもそもカシュー塗装関連の本がない。知識量は伝聞、伝承、言い伝えよりましなレベルだ。代わりにホビーショップには豊富にプラモデルの塗装関連本が並んでいる。(↑)主力は二液性ウレタン塗料等をエアブラシ、スプレーガンを使用し、塗装する手法だ。カシューは過去の塗装法なのか。最初にお話ししたようにウレタンスプレー缶塗装、二液性ウレタン塗料+刷毛塗りは筆者にとって「鬼門」だ。横目で見つつ必要な知識だけそっと学ぼう。チャンスがあればウレタン塗装を一気に正面突破したい。

     

    偉大なるカシュー塗装、その問題点④    工程が複雑すぎる。芸術とはそういうものだ、ともいえるが、何とか工程を短縮できないものか。梅雨、暑さ、忙しさはカシューの天敵で、開店休業状態になる。

     

    今年こそはこれらの問題点を何とか解決し、ひょうたん芸術の革命的大爆発を目指したい。カシューを発明、開発したカシュー株式会社のHPに「カシュー塗装法」の記載がある。スプレーガン塗装法以外の情報量は随一だ。長いながい解説文の最後にこう記載されている。「以上はカシュー塗装の一端を示したにすぎません。古来よりの漆工塗装をみましても何百種類もの塗装方法があります。これらの殆どがカシューによって表現できるばかりでなく、塗装する方のたゆまない研究心により、さらに多くのカシューによる塗装法が考え出されてゆくことと存じます。」そこで塗装法を次のように分け、試行錯誤する。錯誤ばかりにならなければよいが。

     

     

    試行錯誤の塗装比較表    目標はかうだ

     

     

    新カシュー法への挑戦。        前進微速

     

    平成25年5月26日        月日は流れ、穏やかに下地塗りへ進む

     今年の第一目標は前記した通り刷毛塗りの逓減、つまり刷毛を極力使わず、スプレーガンを多用することに尽きる。もう一つは工程の簡略化だ。木工塗装のどんな教科書、信頼できる(と思われる)どんなインターネットサイトでも、工程は大まかに4つだ。素地着色、目止め(合わせて下塗り)、中塗り、仕上げ(上塗り)。一般の木工製品への塗装工程には目止めが必ず必要だ。木の素材表面にはぶつぶつした小さな穴が無数に開いている。このまま塗料を塗ろうとしても塗料の吸い込みが激しく、まともには塗れない。そこでその穴をふさぎ、塗装可能な状態にするのが目止めだ。昨年までは馬鹿正直にこの目止めを原則全ひょうたんに行っていた。が、結局例外を除き不要だと思う。ひょうたんの表面に木材のような小さな穴はなく、良く研磨されてつるつるした表面なら目止めは省略できる。目止めを省略できない唯一の例外は収穫時表面が比較的柔らかかったひょうたんだ。よく乾燥したひょうたんが柔らかくたわむことはありえないが、収穫時に柔らかく、小さく、発育不全型のひょうたんは乾燥すると脆く、薄く、表面はざらつく。そのままでは塗料が吸い込まれ易く、きれいな塗装はできない。要注意。成形加工編で登場したバラバラ君はまさにこれだ。本論に戻ろう。中塗り、つまり仕上げ前の平滑な平面を作る工程も省略しよう。サフェーサーという塗料を使用する工程だ。これも去年まで行ってきたが、仕上がり具合を見るとその必要性をあまり感じない。もちろん徹底的なやすりがけが絶対条件だ。表面がつるつるのひょうたんは素地着色(下塗り)、上塗り、の2工程で勝負だ。結果は吉と出るか、凶と出るか。この日は素地着色(下塗り)も少し新たに工夫してスタートした。なんと素地着色に水性スプレー缶を使用、一部グラデーション塗装も試みる。

     

     

            

     

    水性スプレー缶は近隣のホームセンターで容易に入手。(↑左)各色そろってるが、中間色はない。仕上げはカシューの半透明塗なので、組み合わせできる色調は限られる。カシューはそれ自体薄い飴色の色調がある。どんなにカシューの飴色が薄くなってもシンナーで薄くしてもウレタン塗料と違い全く透明にはならない。赤や緑、青色の系統を下地の色にすると、カシューの薄い飴色と混じり、結果大変色調が悪い。したがって選択肢は白、クリーム色、黄色、茶色だ。結局購入したのはクリーム色、黄色、茶色の計3本だ。(↑右)

     

     

    軽い気持ちで噴霧してみる。(↑左、中央)噴霧した後わかったことだが、茶色は茶色ではなく、実はゴールドだった。(↑右)どうもピカピカしていると思った。缶の頭は茶色だが、缶の隅に小さく「ゴールド」と書いてあった。ひょうたんが金に進化して、大儲けだ。気分がいい。さらにグラデーションを施してみた。金色とクリーム、黄色とクリームの、各組合せにした。難しそうに見えて意外と簡単にできた。見栄えもよい。しかし、半透明なカシューで仕上げると実際どのようになるのか未知数だ。不安。

     

    この日だけでひょうたん10個ほどを一気に塗装する。(↑)水性スプレー塗装の乾燥時間は早く、缶に明記してあるのは夏30分、冬50分だ。しかしこの時間では完全硬化せず、表面は柔らかい。やすりがけは丸一日おくほうが無難だ。

     

     

    平成25年5月27日        下塗り+やすりがけもトライアル

    当初やすりがけは教科書通り固い紙やすり400番を苦労して使っていた。が、思ったように表面が平滑にならない。そこで成形加工最終段階で使用したスポンジ製3M ULTRAFINE(800~1000番相当)を活用してみる。(↑)予想以上に効果があり、しかも水性の下地がはげることもない。何でもやってみることだ。教科書でいう木工製品のやすり研磨は板状の平面を想定している。しかし、ひょうたんは基本的に球面だ。つまり固い紙やすりの場合ひょうたんとの接触面は常に一点に近く、集中する圧力が平面に比べ高くなりがちだ。3M ULTRAFINE(800~1000番相当)はスポンジで柔らかくひょうたん球面への接触面が広い。また高くなりがちな接触圧力に対し800~1000番相当と教科書の400番より目が細かく、やすりの効果も穏やかだ。で、二重のおだやか効用で削りとしての結果は良好だ。一つ注意点。水性塗料は柔らかく、はがれやすい。つまり色移りしやすい。1色の場合は問題ないが、2色のグラデーションの場合、色が混じってしまいがちだ。色ごとに3Mスポンジのやすりを変えるなど工夫が必要。

     

     

    平成25年5月28日

    昨日の下地処理の復習。一回では水性ペイントがうまく塗れていないものもあり、もう一度入念に塗装する。ただし、教科書的にはカシュー等硬い塗料の仕上げをする場合下地となる水性ペイントの厚塗り禁止と書いてある。水性ペイントは柔かい。つまり硬い仕上げのカシュー塗膜の土台が柔らかくなりよろしくないという理由。要注意。早く仕上げ工程(上塗り)=カシューに行きたい。

     

    平成25年5月30日        量産先行試作1回目カシュー刷毛塗り

    仕上げ工程のカシューを試す。全部失敗するといやなのでまずは確実な刷毛塗りで、少量から塗り始める。下地がクリーム、金色、黄色、それらのグラデーションがどうカシューに映るかが大変心配。疑心暗鬼で塗り始め、あっという間に数個の塗装が終了。カシューのネオクリアーは半透明な塗り方ができ、そのうち最も薄い色調。ごくわずかに飴色になる。最もカシューの特徴が生きる色調だ。シンナーの薄め具合はカシュー7にシンナー3とした。教科書ではシンナーを薄くするほど(カシュー原液に近いほど)塗装後の肉もち感、光沢、色調が良いとされる。欠点は粘度が上がり、塗りづらく、ムラ、その他塗装トラブルが出やすい。去年までは教科書的に許されるギリギリの比率、カシュー8にシンナー2、またはさらにカシュー9にシンナー1まで臨んだ。しかし、結局どこかで塗装トラブルに遭遇し、やり直し、大失敗の連続だった。今年は刷毛塗りが最後と思い、下塗りの効果を確かめるお試し版ということもあり、冒険せず前記の比率にした。家じゅうシンナーくさい。

     

     

    平成25年5月31日

    どの組み合わせも想像以上に下塗りとの相性が良い。(↑)後々の比較をするため、名前を付けておこう。写真左は下塗りが黄色単色=(単黄と命名)。写真中央は上部クリーム、下部オレンジのグラデーション。(先に出た液ダレのもの。液ダレ)写真右は上部クリーム、下部ゴールドのグラデーション=(ごついのでごつ)。安心した。今のところ方向性に間違いはなさそうだ。先行試作を進める。

     

    平成25年6月2日        カシュー刷毛塗2回目

    先行試作2回目と、よさそうなので新たにカシュー仕上げ刷毛塗1回目のグループ数個も始めた。カシューとシンナー比率は同じく7 : 3でゆく。ノントラブル。

     

    平成25年6月5日        カシュー刷毛塗3回目

    カシュー仕上げ1回目、2回目終了組ともあらかじめ800~1000番相当3M ULTRAFINEで軽く表面研磨する。前回の塗装からまる3日たっており乾き具合もよい。したがって研磨も良好。カシュー刷毛塗り先行試作3回目をさっと行う。3回目終了ともなればカシューの穏やかな輝きもしっかりしてくる。下塗りの色は少しずつ薄れ、逆にカシューの薄い飴色がかぶさり色調もよい。カシューとシンナー比率は7 : 3で同じ。

     

     

    乾燥中の風景。(↑)一番左はサボっていて一回少なく2回目終了後。次に3回目終了後(単黄)、2回目終了後。それより右2個は下塗りのみのもの。やはり3回目の光沢が一番良いようだ。ひょうたんを乾燥させるには写真のように口から箸を入れ、メタルラックの端に固定している。固定には便利だがほこりには要注意だ。

     

    平成25年7月14日        カシュー刷毛塗り3回+スプレーガン1回目(最高回数、単黄の場合)

    短い梅雨が例年にも増して早く開けた。暑い。塗装日和だ。気分も熱い。今日は覚悟を決めて、スプレーガンによるカシュー塗装を決行する。今まで遊んでたのか。前回から随分と日にちが飛んでるぞ。お叱りはごもっとも。言い訳無用だが、筆者も一応勤労所得者であれやこれや今日になってしまった。また、昨年完成したカシュー塗りひょうたん群の一部が虫食いの被害にあい、補修に手間取っていた。(いずれ紹介。)きわめつけに話したくない決定的失敗塗装を二液混合ウレタン塗料のクリアーでやらかしたりと、雑多な時間に埋没状態。だがそれも今日までだ。カシューのスプレーガン塗装については筆者の手元に未だ参考資料がほとんどない。進むしかない。虎穴に入らずんば虎児を得ず、だ。

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    とりあえずカシュー株式会社製純正の吹付用シンナーを入手した。(↑左)以前から存在したかもしれないが、筆者はこれを今年初めて知った。カシューの吹き付けに関し以前から関心はあり、複数のホビーショップで店員相手に幾度か質問はしている。どのようなエアブラシ、スプレーガンを使えばよいのでしょうか。答えは決まって粘度の高いものなので吹付はできないと思います、当店ではわかりませんと。しかし、前述した「大橋塗料株式会社」のサイト内カシューの項目をよく見ると、塗装工程に今年は「刷毛塗り」に加え、「スプレー塗り」が追加されている。うまくやればスプレーガンでカシューを吹き付けてよいと理解した。であれば、GOだ。前記した表の「新カシュー法」の特徴の一つだ。スプレーガンは明治 FM-ⅡG、口径0.5 mmを使用。(↑右)前置きが長引いた。昨日のうちにカシュー仕上げのひょうたん群を800~1000番相当3M ULTRAFINEで軽く研磨しておいた。予習は十分。カシューは前回同様「ネオクリアー」。「吹付用シンナー」との比率は1 : 1と薄くした。まずは無難な線を狙う。スプレーガンのカップに「吹付用シンナー」50 ml、「ネオクリアー」も50 ml混ぜ、かきまぜ、祈ってから塗装スタート。エアーとともにカシューもきれいに吹き出てくる。不安も吹き飛ぶ。嬉しさに浸ることなく、慎重に塗装を進める。厚塗りすると、液ダレし、元の木阿弥だ。うす塗り加減にとどめ、次々ひょうたんに噴霧する。早い。大型ひょうたんでも1個約1分ほどで吹き上がる。助手の清兵衛と協力し、出来上がったひょうたんを次々干してゆく。順調だ。5~6個塗装し終えたところでカシューが切れる。あらかじめ用意しておいた「吹付用シンナー」25 mlをスプレーガンのカップに入れ、数回空吹きしてから新たにカシューを缶から吸い出す。スプレーガンは塗料がガンの中に入っているときに作業を中断し、うっかり時間がたつと塗料が内部で固まってしまう。作業中断時、ないし終了時にはシンナーを空吹きしておくとよい。「ネオクリアー」25 mlを新たにスプレーガンのカップに追加し、作業再開。残り3個の塗装も難なく終えた。スプレーガンをシンナーで念入りに洗浄する。なおスプレーガンの洗浄法についての詳細はこれだけではない。ここでは触れないがその他の多くの注意が必要だ。

     

    平成25年7月15日        中間報告

    気になっていた仕上がりをチェックする。大変良い仕上がりで安心する。カシューの肉厚感は刷毛塗りと一緒だが、平滑感はさらに良い。溶けたガラスの膜が一面を覆っているかのごとくだ。スプレーガンによるカシュー塗装「新カシュー法」はおおむね○だ。

     

    中間報告1回目

    ◎     下塗り水性スプレー黄色単色、(単黄)は◎、文句なし。

    △     上部クリーム、下部オレンジのグラデーション。(液ダレ)は△。クリームとオレンジのグラデーションが濁ってきて色調が今一つ。

    △     上部クリーム、下部ゴールドのグラデーション。(ごつ)は○~△。クリームとゴールドの色調が全く同じになってきた。上下の色の区別がほとんどできない。

    スプレーガンとしての塗装法は◎。もう刷毛塗りに戻ることはあるまい。

     

    平成25年7月21日        カシュー刷毛塗り3回+スプレーガン2回目(最高回数)

    明るい日が続く。スプレーガンとして2回目を行う。800~1000番相当3M ULTRAFINEで軽く研磨した上、スプレーガン1回目と同じメニューで塗装を行う。「吹付用シンナー」「ネオクリアー」の比率も1対1だ。正味30分前後で終了。少しスプレーガンに慣れたせいか、カシューの付いた後片付けのゴミ類が少ない。

     

     

    スプレーガンのカシュー塗装でどきりとしたことを一つ。1回目同様シンナー、カシューを同量50 mlずつスプレーガンのカップに入れ、少しかき混ぜ、いざ塗装スタート。あれ、うんともすんとも言わないぞ。スイッチ入れ忘れか。いや、入ってるぞ。おかしいなー。あれこれ考えているうちに気が付いた。スプレーガンのカップに入っているシンナー、カシューはよくよく混ぜないと重いカシューがシンナーの下に沈み、カップ下部→スプレーガンの中でドロドロと詰まってしまうのだ。スプレーガンの内部で固まると一大事だ。少しかき混ぜるのはいけない。よーくきちんとかき混ぜないと、カップの底で混じり切らないカシューがスプレーガンの動きを止めてしまう。手元にあった割り箸で再度カップの中をよくかき混ぜ、再スタート。今度は気持ちよくカシューの霧が噴出した。

     

     

    平成25年7月22日        追試験大失敗

    天気が良いうちにカシュー塗装の回数を稼いでおこうと思った。朝の時間がないとき急に思い立つ。昨日のスプレーガン塗装で一部分吹付カシュー塗料が足りないひょうたんを一つ発見。つやつやしていないところがある。補修の意味もかねて追加塗装したい。厚塗りの失敗が怖く、ついつい塗装が薄くなりがちだ。さらに「新カシュー法」で昨日までカシュー塗装を合計最高5回まで塗ったが、一部4回、ないし3回塗りのひょうたんもある。3回、4回塗りのものだけ今日追加塗装し、なるべく塗装回数を合わせようと思う。最高の5回塗装に達している単黄、液ダレ、ごつ、を除き合計5個。朝の忙しい時間帯にちょうど良い個数だ。助手・清兵衛の手助けも不要。時計を気にしつつ機材一式の準備をする。800~1000番相当3M ULTRAFINEで軽く研磨した上、昨日と同じメニューで塗装を行う。「吹付用シンナー」「ネオクリアー」の比率も1対1だ。

     

        

     

    気分も軽く、スプレーガンのトリガーを引く。一撃必殺のカシュー弾がひょうたんをきれいに包み込む、と思う間もなく、ぺぺっと音がしてスプレーガンが咳き込む。ひょうたん表面に茶色いカシューのツバキが何か所か飛び散っているぞ。大変だ、と思い近くのタオルでカシューのツバキをふき取る。あわててふき取るも、憎しみのカシュー粒がとれるのと、タオルの繊維が大量にこびりつくのが一緒に見えた。茫然自失、気を取り直そうと、再びスプレーガンの引き金を引く。今日はカシューの機嫌が悪い気候かな、と思いつつ再度ぺぺぺーと音。軽蔑のツバキはさらにひょうたんの上に広がる。おかしい、何かがおかしいと思いつつ、動転してさらにタオルでカシュー粒をふき取る。粘ついてタオルの毛がさらに表面にこびりつく。スプレーの勢いが弱い。コンプレッサーのスイッチが、入っていない!ついさっき入れたと思ってうっかり「切」にしていたのだ。タンク内に貯めた空気が次第に勢いを失い、霧にならないカシューの生粒が出てきたのだ。おもむろにスイッチを入れ、トリガーを弾き、失望の霧が改めて毛の生えたひょうたんを包む。ここまで短時間に三重の失敗をした。1、コンプレッサースイッチの入れ忘れ。2、生のカシュー粒をタオルで拭き、繊維を大量に付着させた。3、塗装を中止せずさらに張り付いた繊維の上からカシューを噴霧した。これぞ失敗の糊塗。恥の上塗り。小さな失敗が大失敗につながる見本だ。古来いわく、失敗は大失敗のもと。したがってこの追試験は赤点。即落第決定へ。落第ひょうたんは特別補修クラス入りとなった。落第生は下塗り水性スプレー黄色単色で順調に進んでいたのに。名前を「ぺぺ」にしよう。ぺぺ以外のひょうたんは無事通過。喜べない。写真(↑)はこの後乾燥した「ペペ」。光線の具合でカシュー生唾は良く見えない。よくそういえば筆者が昔通った学校はやたら厳しく、落第は珍しくなかった。カシューのようなねばる汗がにじんでくる。

     

     

    平成25年7月23日        補修クラス愛憎劇

    午後から雨との天気予報。昨日の落第君「ぺぺ」他計4個を手掛ける。「ぺぺ」は360~600番相当3M SUPERFINEでごく軽く、800~1000番相当3M ULTRAFINEでごしごし磨く。研磨後の表面は意外ときれいになる。昨日のカシュー粒もあまり目立たない。

     

     

    夏は短い。今日は昨日の雪辱戦だ。昨日生唾が飛ばず、カシュースプレー塗装が成功した一つを除き、落第君「ぺぺ」を含む計4個が本日の塗装対象。塗装条件も同じ。今日はコンプレッサースイッチをしっかり入れた。念のため助手「清兵衛」も呼ぶ。祈るような気持ちでトリガーを引く。シューッときれいにカシューとシンナー混合の霧がひょうたんを包む。塗装が薄い場所が残るものが2個あり、それからさっそくはじめる。厚塗りしないよう、塗装漏れがないよう、慎重に噴霧する。そろそろいいか、と思った時、「ペ」と聞こえた気がした。まさかと思い、悪い視力の目を振り絞ると、なんと昨日と同じ憎しみのカシューつばきが数か所ひょうたんに飛んでいるぞ。スプレーガンをひょうたんから離し、続けて噴霧してもその後はツバキが出てこない。気を取り直し残りの塗装を仕上げた。いったいどうして唾が噴き出たのか。よく考えず、悪夢は終わりだと勝手に信じ、2個目の噴霧にかかる。意外と調子いい、と思っていると、再び「ペペ」。数個のカシューツバキが飛んでいる。暗くなる目の前を笑ってごまかしながらなんとか塗装を続行。いきおいで3、4個目も続いて突入。4個目は昨日の落第君「ぺぺ」だが、なんとか無事終える。1個目、2個目の新落第組には憎しみのカシュー唾が残る。北斗七星か、夏だからさそり座模様の芸術だ、と誤魔化せないか。昨日に引き続き、どうしてカシュー粒が噴出したのか。コンプレッサーの作動は正常だった。そのほかに?思い当たる節がある。カシューネオクリアーを合計50 ml吸い出すとき、数年前から使いかけの缶合計3缶から継ぎ足し、合わせた。暗い缶の下のほうで薄いカシュー膜のように見えたものがあったが、かまわず吸い出し、スプレーガンのカップに注いだ。古いカシューの成分が固まり、その小さな塊がスプレーから噴き出した可能性があると思う。芸術に主婦の知恵のような機転は似合わないのだろう。芸術とエコは水と油だ。補修クラスの仲間が1人減り、逆に2人に増えた。そのうち全員補修クラス行きか。猛暑は続く。保護ゴーグル内にカシューより粘る汗が練りつく。

     

     

    3Hウレタンクリアーを使ってみよう        カシュー戦線からの離脱なるか。お先に。

     

    平成25年7月27日        伏兵登場

    セミが賑やかすぎる。新カシュー法の仲間の多くは補修クラス行ったり来たりで、しばらく頭を冷やしお休みにしよう。新カシュー法教室は特別夏季休暇です。試行錯誤の塗装比較表の「新カシュー法」の次にある、第三の塗装法がある。この時点までその手法が書かれていないのは、それが現時点であまりにも無残な顛末を迎えているからだ。カシューがごたごたしているので、少し寄り道をしてみよう。

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    それはウレタン塗料だ。そろそろ登場してもらわなければならない。亡霊のように出ては消えてゆく、避けては通れない「鬼門」ゆえ、内緒で少しづつ予習はしていた。試みた手法は次の如し。下塗りとしては水性スプレー缶、ゴールドとクリームのグラデーションのみとする。計3個。よく乾いた後、800~1000番相当3M ULTRAFINEで研磨、中塗りは省略。これがコツだ。上塗りとして二液性ウレタンクリアー「3Hウレタンクリアー」を数回スプレーガンで噴霧し、終了。水性塗料のグラデーション塗装をアクセントに、ウレタンクリアーに包まれた、宝石のような仕上がり、のはずだった。3Hウレタンクリアーを2回噴霧して1週間ほどしたある梅雨の日、塗装が裂けていた。「クラッシュ1」(↑左)。最初はお尻のくぼみが浮き上がっているのを発見。その後さらに数日して首の塗装が半周ないし4分の1周ほど裂けて、めくれあがってきた。塗装が裂けるとは思いもよらなかった。青天のヘキレキだ。同じ手法で塗装した、計3個のひょうたんすべてがまったく同じ症状に陥った。写真左は裂けた様子。よく見るとわかる。内部で首の塗装全体が浮き上がっているため、結局首全周をはがす羽目に。中央は茫然自失のさなか、浮き上がった塗装をぺりぺりはがし、240番で磨いた後(↑中央)。右は虚脱状態から抜けたすきを狙い水性ペイントを新たにグラデーション塗装したのちの姿(↑右)。ちなみにグラデーションの上部クリーム色があまり映えないため、白に変更してある。4回水性塗料塗装を繰り返し、補修跡がやっと目立たなくなってきたところ。左から右へ進むのに初夏20日間の日時を要した。磨くのに手を動かすのは正味10分前後だが、脳みそがこのクラッシュ状態を受け入れるのにはまさに20日間かかった。脳は手よりもしつこい生き物だ。

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    「クラッシュ2」(↑左、中央、右)。写真左と中央は同じく首とお尻の裂け目。剥離した部分を周囲まで含め240番で磨いた後の状態。右は240番で「3Hウレタンクリアー」を全面剥離しようと試みた後の姿(↑右)。因幡の白ウサギ状態で痛々しい。その1とほぼ同時進行している。もう一つ、ほぼ同様のクラッシュ3もあるが、写真は省略。以上が初夏にとん挫したおおよその経過。午後の蝉しぐれを聞いているうち、何とかしようというエネルギーが脳の奥深くから満ち溢れてきた。水性ペイントで白・オレンジツートンカラーにして、その時点で様子見とし、中断しているひょうたんがさらに別に2個ある。それらを含む計4個のひょうたんが今回の3Hクリアー塗装コースで復活させたい対象だ。例外はクラッシュ2で、このクラッシュ2ひょうたんはさらに別の上塗り「キャンディーカラー法」コース(後記)用に取っておく。ので、「3Hウレタンクリアー法」で復活するのは「クラッシュ1」、「クラッシュ3」、白・オレンジツートンカラーの2個、計4個だ。中塗り!これを軽視したのが間違いの原因だ。中塗りをしないで下塗りからいきなり3Hウレタンクリアーの上塗りに突き進んだことは筆者のごとく中学の勉強をろくに理解せず高校の勉強に励むようなものだ。2液ウレタン塗料「8号ストップシーラー」を使う。厳密に言えばこれは本来下塗りで、素地を固め、上塗りの塗り加減をよくする役目がある。同時に染料を混ぜ、着色も行える。水性塗料を下塗りにしたため、2液ウレタン塗料「8号ストップシーラー」は中塗りの扱いだ。今回上塗り「3Hウレタンクリアー」で復活予定対象ひょうたんはここで述べている4個であり、中塗りはすべて「8号ストップシーラー」使用となる。これらの組み合わせは以前から筆者がカシューの刷毛塗りを行ってきた中塗り手法と全く同じだ。カシュー塗装の場合中塗り=2液ウレタン塗料「8号ストップシーラー」はゴールドスタンダードと言ってよいと思う。あとで知ったが「カシュー」も「8号ストップシーラー」もカシュー株式会社の製品だった。中塗りで唯一違うのは今回刷毛塗りをせず、スプレーガン塗装になる点だ。さっそく開始。「8号ストップシーラーA液」25 ml、「8号ストップシーラーB液」25 ml、「ストロンTXL2530シンナー」12.5 ml、上記4個へ。別に上塗りをカシューで予定している全く手つかずの未着色ひょうたん2個があり、この中塗りに便乗する。手つかずの水性スプレー未着色ひょうたんのうち、一つは成形加工編で熟成した、「ねじれ君」。もう一つは全く成形加工をしなくてももともとスタイルの良いもの。「スタイル君」にしよう。「ねじれ君」、「スタイル君」には8号ストップシーラーに黄色い染料「リベラカラー・イエローナチュラル」を同時に5 ml混ぜた。スプレーガン塗装なので短時間、あっけなく終了する。ただし、意外な事態が判明する。

     

     

    平成25年7月27日の夜        大敵ゆずはだ

    噴霧した直後より気にはしていた。ゆず肌とは奥ゆかしい響きがする。

     

     

    白・オレンジツートンカラー2個に重大トラブル、残り2個「ねじれ君」、「スタイル君」にも中程度トラブル発生。ゆず肌だ。実際に目の当たりにして愕然とした。(↑)前項のカシュー噴霧ひょうたん群でも若干のゆず肌を認めていたが、今回はまるで柚子そのものだ。オレンジピールともいう。白・オレンジツートンカラーの2個は下半分がオレンジ色の下地なのでまったく笑えない。上の写真のものを「ゆず肌1号」、もう一つを「ゆず肌2号」としよう。成功作には名前が不要だが、失敗作はレッテルが張られる。この作品が柚子をモデルにしたものであれば、職人的神業と称賛される。残念ながらこれはひょうたんだ。さわるとご覧のとおりクレーター状のでこぼこがしつこく広がるのがわかる。塗装の大敵だ。インターネットサイトの引用で恐縮だが、引用しよう。「ミカン肌状の塗装面のことで、オレンジピールとも呼ばれています。塗装された塗料が平滑になりきれずに乾燥固化した状態で、塗装条件や塗装膜厚などに原因があります。①主な原因 ・塗料粘度が高い。・蒸発の早いシンナーを使用した。・エアスプレーガンと被塗物との距離が遠い。・塗装膜厚が薄い(平滑になる状態に達しない)。・可使時間(二液型塗料)のすぎた塗料を使用した。 ②予防策・・・・(以下省略)(玄人本舗プロホンポHPより引用)」。「ゆず肌1号」、「ゆず肌2号」共に気を取り直して削り込む。800~1000番相当3M ULTRAFINEで軽く削るも全く歯が立たない。

     

     

    ついには360~600番相当3M SUPERFINEでごしごし削り取る。柚子がやっと梨くらいになってきた「ゆず肌1号」。(↑)必死になって削ってはいけないが、ついつい力が入る。磨きすぎてオレンジの下地がはがれ、ひょうたんの地肌が一部見え隠れしてきた。残念ながらオレンジの水性塗料からやり直しとなる。仕方あるまい。

     

    平成25年7月28日        ゆず肌防止条例

    一夜明けた。気を取り直し、8号ストップシーラーのスプレーでゆず肌となったその他3個のひょうたん、「ゆず肌2号」、「ねじれ君」、「スタイル君」も磨く。不思議と白・ゴールドツートンのひょうたん2個「クラッシュ1」、「クラッシュ3」にはゆず肌がほとんど出ていない。計4個の強固なゆず肌。800~1000番相当3M ULTRAFINEで一生懸命研磨するもどうしてもきれいにはならない。仕方なく360~600番相当3M SUPERFINEでそっと研磨する。やっと、4個そろってほぼきれいな表面が戻ってきた。今日のセミも元気がいいぞ。日差しがまぶしい。今日はゆず肌防止が第一目標だ。2液ウレタン塗料「8号ストップシーラー」のスプレーガン中塗り塗装の再挑戦。もちろん対象は昨日のゆず肌被害者「ゆず肌1号」、「ゆず肌2号」、「ねじれ君」、「スタイル君」計4個。塗装の準備を整えスタート。スプレーガンとの距離が遠いといけない。少し接近し、慎重に噴霧してみる。今度は大丈夫、と思っているとまたまた例のゆずがぼつぼつ出現。近すぎかと思い距離を少し離してもまた出現。次のひょうたんなら平気かもと願いを込めるも全く同じ結果。4個すべてのひょうたんに大なり小なりゆず肌がパックリ口をあけ、にっこりする。落ち込む。午後、気を取り直し、360~600番相当3M SUPERFINEで失敗組4個ともがりがりに研磨する。8号ストップシーラーはカシューと違い塗装後次の工程へ最短4時間後には進める。距離を近くしてもだめならシンナーが濃すぎるのだ。「ストロンTXL2530シンナー」を今まで8号ストップシーラーの半分、50%混ぜていたが、一気に同量、100%混ぜることにした。乾きにくくなりそうだが仕方がない。ドタバタ準備し、再度チャレンジ。今度こそ、と思っていると、一層激しくゆずがぼつぼつ出現。セミたちの大合唱が高笑いに変わる。無情の夕日に背を向け本日終了。

     

     

    平成25年7月31日

    早朝。まだセミは鳴いていない。昨夜秘策を考えついた。ので昨夜のうちに失敗組の4個ともゆず肌をきれいに削り取っておく。何のことはない、筆塗りに戻ることだ。今日は8号ストップシーラーを筆で塗ろう。比率はほぼ標準設定で、「ストロンTXL2530シンナー」は8号ストップシーラーの半分、50%とした。対象ひょうたんの内訳は前回ゆず肌で右往左往している白・オレンジツートンカラーの「ゆず肌1号」「ゆず肌2号」計2個、ゆず肌が不思議と出ていない白・金メタリック「クラッシュ1」「クラッシュ3」計2個。さらに上塗りにカシューを予定しているリベラカラー着色組「ねじれ君」「スタイル君」計2個の総計6個だ。懐かしい筆でゆっくり塗る。下塗りがツートンカラーのひょうたん4個「ゆず肌1号」「ゆず肌2号」「クラッシュ1」「クラッシュ3」は当然染料なし、下塗りがモノトーンの2個、リベラカラー着色組「ねじれ君」「スタイル君」は黄色い染料「リベラカラー・イエローナチュラル」を混ぜる。(20%=A液10 ml、B液10 ml、ストロンTXL2530シンナー 5 ml、リベラカラー・イエローナチュラル2.5 ml)まずは染料なしの透明な中塗りより開始。8号ストップシーラー各5 ml、ストロンTXL2530シンナーは2.5 ml混ぜる。前回苦労した例のオレンジのツートンひょうたんからそっと筆を添える。懐かしい感触。やはり塗りごごちは良い。というか、あっけないほど簡単だ。            

     

     

    気分よく筆を進めているうちに筆が妙にオレンジ色になってきたのに気が付いた。(↑)白との境目がオレンジ色で塗りつぶされてゆく「ゆず肌1号」。8号ストップシーラーと下塗りの水性ペイントが合わさって溶けてしまった。失敗だ。失敗ついでに筆を変え、もう一つの白・オレンジツートンひょうたん「ゆず肌2号」を塗る。こちらはぎりぎりセーフだ。よく見ると若干色落ちしているが許容範囲。白・金ツートンのひょうたん「クラッシュ1」「クラッシュ3」は前回の騒動でもゆず肌出現がわずかで、その下の水性ペイントに影響がない。ので、きれいに筆が進んだ。リベラカラー着色組ひょうたん2個「ねじれ君」「スタイル君」は削り取られた前回のひどいゆず肌跡に、代わって8号ストップシーラーと黄色い染料で少しずつ過去を覆い隠してゆく。(↓左右)でも、完全ではないようだ。もう少しといったところ。黄色い染料「リベラカラー・イエローナチュラル」の染色効果が悪い。

     

     

    昼刻。セミにせかされるようにゆず肌削り・色ムラ丸出しモノトーンのひょうたん群2個「ねじれ君」「スタイル君」にしつこく再チャレンジ。朝と同じメニューで筆を進める。あっという間に終了。筆塗りはスプレーガンと違い準備も簡単、使う塗料もざっと10分の1。後片付けもほとんどない。使い捨ての筆以外エコだ。スプレーガンが車で買い物に出かける手間暇とすると、筆塗りはコーヒーを沸かして飲む感覚だ。「スタイル君」の色ムラは消え仕上がり具合はもう合格点だ。夕刻。セミはもう聞こえない。「ねじれ君」に再々チャレンジ。しつこさにあきれる。リベラカラーナチュラルイエローを濃くしようと思い、8号ストップシーラーA液5 ml、B液5 ml、ストロンTXL2530シンナー 2.5 ml、リベラカラー・イエローナチュラル5 mlとして筆塗りした。(↓)乾燥後の状態。

     

     

    黄色い染色効果は徐々に功を奏している。そのおかげでかなり色ムラが隠れてきた。みかん肌おばさんの化粧品CMみたいだ。

     

     

    現状整理            新カシュー法戦線膠着、どうにかなるのか

     

    ここまで下塗り、中塗り、上塗りの塗装組み合わせについて様々な状況を見てきたと思う。筆者なりに少しまとめてみた。当初のもくろみと若干違う点が出ている点に注意が必要だ。

     

    塗料、塗装法組み合わせ表    @未完成  (カシューはネオクリアー、クリアーを想定)

     

     

    ○筆者の主観に基づく。あくまで塗装は自己責任で。

     

    中間報告2回目

    塗装工程の現状も整理してみよう。塗装法の手を広げすぎたせいか、状況が分かりづらくなってきた。上の表も見ながら最善の策を練ろう。

     

                

    白・オレンジ水性ペイントツートン2個「ゆず肌2号」「ゆず肌1号」(↑)

    下塗り    水性ペイント    白+オレンジ    スプレー

    中塗り    8号ストップシーラー        スプレーでゆず肌トラブル

    8号ストップシーラー        筆塗で水性ペイント落ちトラブル

    ☆新カシュー法の下塗り水性ペイントスプレーで始めるも、急遽中塗りを追加した。頑固なゆず肌出現。360~600番相当3M SUPERFINEから800~1000番相当3M ULTRAFINEで徹底研磨し、ゆず肌解消。水性ペイント白・オレンジ再スプレー済み。上塗りで予定していたカシューは中止。中塗りがうまくゆけば上塗り3Hウレタンクリアースプレー待ち。

    DSC550(2)

     

    白・金メタリック水性ペイントツートン2個(↑)「クラッシュ3」、「クラッシュ1」

    下塗り    水性ペイント    白+ゴールドメタリック    スプレー

    上塗り    3Hウレタンクリアー        ひび割れて失敗→全面剥離。

    下塗り水性ペイントからやり直し。

    中塗り    8号ストップシーラー        スプレーで意外とゆず肌トラブルなし?又は少ない。

    ☆上塗り3Hウレタンクリアースプレー待ち。ただし、よく見ると「クラッシュ1」にゆず肌結構あり。悩み中。

     

    上塗りにカシューを予定しているリベラカラー着色組2個(↑)「ねじれ君」、「スタイル君」

    下塗り    8号ストップシーラー+染料リベラカラー・イエローナチュラル / スプレーでゆず肌

            トラブル。→全面徹底剥離。

        8号ストップシーラー+染料リベラカラー・イエローナチュラル / 筆塗りでは共に

    ゆず肌軽減中。「ねじれ君」の塗装ムラはまだ残る。

    ☆塗装ムラ解消すれば上塗りカシュースプレーへ

     

    DSC 555(2) 6%            

     

    カシュー量産先行試作組下塗りクリームまたは黄色4個(↑左右4個すべて)左より「単黄」、一つ右へ「ぺぺ」。右写真の左側ヘタが棒状の「ぼうくん」、右写真右端は「成形加工・実践編」で奮闘したバラバラ君。

    下塗り        水性ペイント    クリームまたは黄    (スプレー)

    上塗り        カシュー筆塗り先行、その後

            カシュースプレー

    ☆新カシュー法で最も進んでいるケース。カシュースプレーガンのツバキ飛びトラブルあり。修復済み。あと数回のカシュースプレーで完成予定。

     

            

    カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・オレンジ(↑左)「液ダレ」。下塗りクリーム・ゴールド(↑右)「ごつ」。

    下塗り        水性ペイント    クリーム・オレンジ(左)    スプレー

    水性ペイント    クリーム・ゴールド(右)    スプレー

    上塗り        カシュー筆塗り。その後

            カシュースプレー

    ☆左小型の「液ダレ」はカシュー筆塗りで液ダレした後削り取り、もう一度下塗りからやり直した。「液ダレ」「ごつ」双方とも下塗りのグラデーション組み合わせがカシューの上塗りで濁ったり消えたりで妙な印象。余裕あれば両方ともあと数回カシュースプレー予定。下塗りに水性グラデーションの場合、上塗りにカシューは合わない。おそらく3Hウレタンクリアーがよい。

     

    平成25年8月1日

    遅まきながらリターダーが届いた。

     

     

    リターダーとは暑い夏など気温が高いとき、塗料が早く乾きすぎ、塗装に支障が出るのを防ぐ目的の薬剤だ。シンナーに混ぜて使う。ゆず肌もこれで防止できるはずだ。これでセミ→スプレー→ゆずの悪夢的連鎖を断ち切れるかどうか。筆塗には不要だろう。いずれスプレーガンに混ぜて使う予定。

     

    平成25年8月2日        早起きは三文の徳

    早起きしたので、懸案の塗装ムラひょうたん残り一個「ねじれ君」に手を付ける。8号ストップシーラーA液5 ml、B液5 ml、ストロンTXL2530シンナー 2.5 ml、リベラカラー・イエローナチュラル7 mlと、黄色の染料をさらに増やした。セミの声に誘われるように気分良く塗る。

     

     

    筆塗はスムースに進むも前回の塗装ムラ部分がなかなか隠れない。その他の場所を塗り終えてからもう一度塗ってみる。あまり変わらず、塗装ムラ部分が若干薄くなる程度。ゆっくり10秒ほど数えてもう一度。あまり変わらない。最終手段、ふーっと息を吹きかけ乾かし気味にしてもう一度塗る。塗装には禁断の手法だ。意外にも塗装の乗りが良くなり、塗装ムラが薄れてゆく。気をよくしてもう一度。さらに塗装ムラが消えてゆく。パッと見にはもうわからないくらいだ。調子に乗って失敗するのがこれまでの通例なので、今日はここまでとする。写真は乾燥後の状態。(↑)染料が多いせいか、色つやが少し悪い気がするも、気にしない。中塗りとしての義務は十分果たしたかな。

     

    平成25年10月9日        鈴虫とともに

    ぼーっとしているうちに夏は去り、秋になった。セミは帰り、鈴虫がやってきた。懸案の色ムラねじれ君は前回の奮闘にかかわらずまだ塗目のあらが目立つ。中塗りの不始末は上塗りで隠せない。今日こそ決着をつけようと思う。狂ったセミがいないのでもうゆずの心配はないはずだ。8号ストップシーラーA液5 ml、B液5 ml、ストロンTXL2530シンナー 2.5 ml、リベラカラー・イエローナチュラル7 mlと配合は前回と同じ。

     

    慎重に筆塗を進める。塗り始めた途端、ぼつぼつとゆずが一面に出現!冬まで待たないとダメだったか、とうろたえるも筆は勝手に進んでゆく。くやしいのでゆず肌になっている部分をだめもとで何回も筆でこすっていると、乾きの早い塗料ゆえすぐに筆が重くなってきた。どろどろ、という感じだ。どろどろの筆でゆず肌を何度もこすっていると、次第にゆず肌が消えてゆく。この手法はカシュー塗りでは絶対にしてはいけないことだ。しつこく塗ることでゆず肌が消えることが分かったので、調子を出し、ひょうたん全面を塗ってゆく。時間がかかる。(↑左右)何とか宿敵のゆずを塗りつぶすことに成功した。(と思う)

     

    平成25年10月13日        青空が涼しい<全員及第 / 3Hウレタンクリアー1回目

    塗装日和だ。朝の涼しいうちから活動開始。夏の補修クラスを何とかしようと思う。カシュー量産先行試作組下塗り黄色 / クリーム4個「単黄」「ぺぺ」、ほか2個、上塗りにカシューを予定しているリベラカラー着色組2個「ねじれ君」「スタイル君」、カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・オレンジ1個、総計6個をカシュースプレー(ネオクリアー)で上塗り、下塗りクリーム・ゴールド2個「クラッシュ1」「クラッシュ3」、を3Hウレタンクリアースプレーで上塗り予定だ。合計8個もあるが、張り切ってみなやすりがけする。おなじみの800~1000番相当3M ULTRAFINEを使用。写真(↓)は最終研磨後、カシュー塗装を待つ「ねじれ君」。下準備(中塗り8号ストップシーラー)は完璧。色むらは宿命的。削ると出てきた。

     

    補修クラス入りの原因となったカシュー唾後をいくつかのひょうたんでかすかに認める。360~600番相当3M SUPERFINEでごく軽くこするとさらに目立たなくなる。素地調整は十分。気合も十分。「吹付用シンナー」「ネオクリアー」の比率も同じく1対1だ。コンプレッサーを準備し、スプレーガンを接続。「吹付用シンナー」を試しに入れ、まずは試し吹き。気持ちよく透明なスプレーが青空に吸い込まれてゆく、と期待するも無反応。何度引き金を引くも同じ。スプレー先端をよく見るとごく少量のシンナーがちょろりという感じで出ている。まるっきり詰まっているわけではないのか。先端キャップを外したり、その他調整ねじをゆるめたりしても結果は同じ。だめだ。前回から日がたち過ぎ、どこかで詰まってしまったのだ。まだカシューを入れる前でよかったが、それにしても困った。肩すかしスプレーガンをわきにゴロンと置き、いつぞやホームセンターで買っておいた安いスプレーガンを取り出す。コネクターが合うかな、と思いつつ仮死状態のスプレーガンを外そうと手にかけ、コンプレッサーのスイッチを入り切り。空気の詰まったホースがびっくりして踊る。あきらめ半分おもむろに引き金を引く。「シュー」と気持ちのいい音とともに一気に蘇生した。長期間スプレーガンを使用しない時は要注意との教訓だ。何らかの工夫が必要なのだが、いずれ調べておこう。スプレーガンのカップに「吹付用シンナー」50 ml、「ネオクリアー」も50 ml混ぜ、よくよくかきまぜ、噴霧スタート。「ぺ」予防に今日は新品のネオクリアー缶を開けた。コンプレッサースイッチOK。開始とともにどんどん進み、順調の極み。次々終了。

     

    勢いを買って「3Hウレタンクリアー」噴霧も行う。白・金メタリック水性ペイントツートン2個「クラッシュ1」「クラッシュ3」が対象。無難に規定量で行く。主液20 ml、硬化剤 5 ml、シンナー 10 mlでスタート。あっという間に終了する。本来は白・オレンジ水性ペイントツートン2個「ゆず肌1号」「ゆず肌2号」も「3Hウレタンクリアー」噴霧の対象だが、白のグラデーションに若干濁りがあるため今回はパス。グラデーションを補正した後に「3Hウレタンクリアー」噴霧予定とした。下の写真は「3Hウレタンクリアー」噴霧後の速報。(↓左右)クラッシュ3とクラッシュ1。上々だ

                        

     

     

    塗装はなおも続く

     

    新カシュー法前進全速        柿の色は神のお告げ

     

    平成25年11月6日        隣の家の柿も色づきだしました。

     

     

    明け方寒くて目が覚めた。神のお告げだと思い早起きする。曇天。低い雲間から「塗装せよ」との荘厳な声が響く。塗装だ。じつはこの日のために数日前からひょうたん群をよく研磨し準備しておいた。例によって800~1000番相当3M ULTRAFINEを使用、くまなくていねいに磨いてある。塗装対象は「新カシュー法」の例の面々。カシュー量産先行試作組下塗りクリーム / 黄色4個「単黄」「ペペ」「ぼうくん」「バラバラ君」、リベラカラー着色組2個のうち「ねじれ君」、しかしリベラカラー着色組「スタイル君」表面にゆず肌を発見し、今朝の塗装組からはずれる。カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・オレンジのうち大きな「ごつ」、計6個だ。「吹付用シンナー」「ネオクリアー」の比率はゆず肌を警戒し6対4へ薄めた。塗装後のほこりを警戒し、塗装後の保管はメタルラックを布で覆った簡易クローゼット=簡易塗装ブースの中とした。助手の清兵衛も呼ぶ。新品のネオクリアー缶をあける。よくよくかき混ぜ、コンプレッサーも準備OK。手抜きも妥協も甘えもなしだ。静かな気持ちでスプレー塗装を始める。胸がすくようなきれいな噴霧だ。順次終了する。人事を尽くして天命を待つ。

     

    これは筆者が使用している簡易塗装ブース(↑)。メタルラックがベースとなっている。ただし塗装後の保管のみ。塗装の大敵、ほこりを幾分かシャットアウトできる。昨年までは必ず使用していたが、今年は有効活用していなかった。以前に出来上がったひょうたんの便利な置き場になっていたからだ。完成品、半完成品も含めすべて別の場所に移した。今回から必ず使うことに決めた。

     

    平成25年11月9日        量より質

    朝からひょうたんを熱心にやすり掛けする。そしてふと考えた。過去に仕上げた作品のうち最も成功したひょうたんと比べ、今回の作品群は未だどれもそれを超えていない。なぜか。①表面の滑らかさが劣る、②色彩が貧弱、の二つだと思う。最も成功した過去のそれは上塗りのカシュー塗装のみで12回だ。今回最も上塗りの回数が進んだもので8回になる。あと4回のカシュー塗装で過去を超えられるか。このままでは答えは否、の予感がする。何がいけないのか。筆者はここまでカシュー塗装の良否はその塗装回数がすべて、又はそのほとんどだと思ってきた。きっとそれは大きな間違いだ。決定的に上質なカシュー塗装であればほんの数回で最上級の結果を得られると思う。なぜそのように思ったのか。前回の塗装結果(11月6日に塗装)が一部を除き抜群に良いからだ。結果が良くてなぜいけない?逆説的だが解説しよう。①表面の滑らかさ、全く非の打ちどころがない。わけではないが、下の写真左の「ねじれ君」は理想に近い。(↓左)わずか2回のカシュースプレー塗りだ。逆に下写真右「バラバラ君」はすでに合計8回の筆塗り、スプレー塗りのカシュー塗りを繰り返しているベテランだが問題がある。(↓右)写真ではよくわからないが「バラバラ君」表面一面に細かなゆず肌がひしめいている。②色彩は両者とも依然貧弱だ。「新カシュー法」の面々すべてに共通だ。

     

    分けて考えよう。①表面の滑らかさがたった2回のカシュースプレーの「ねじれ君」で抜群によく、8回スプレー塗りの「バラバラ君」でもゆず肌を無視するとそこそこは良い結果だ。良い方の理由としてはおそらく「吹付用シンナー」「ネオクリアー」の比率を6対4へ薄めたこと、スプレー塗装の際今までは一度吹き付けた場所も様子を見ながら何度も繰り返し重ね塗りしていたが、一回の通過で終えるようにしたこと、簡易塗装ブースを使用したこと、の3点だと思う。カシューは薄めるほどぽってり感、肉厚感は少なくなるが、表面の「あら」も減ってゆく。「あら」とはゆず肌やその他何らかの理由でできた凸凹だ。スプレーでの重ね塗りは一部乾燥したカシューに未乾燥のカシューが入り込み、やはりゆず肌、その他塗装に大小悪影響が出る。塗装ブースに入れずそこらへんで鑑賞がてら乾かしておくと空中の埃が付き表面が荒れてしまう。慎重に考えればわかりそうなものだが、回数勝負と思っている時期にはこんな初歩的な原理が消え失せてしまう。「バラバラ君」の表面が悪い方の理由は深刻だ。幸いその他の「新カシュー法」ひょうたんの結果は今回の塗装後から抜群に良くなった。なぜ「バラバラ君」がこれまでの塗装→研磨→塗装パターンでいつまでたっても過去の例を超える良好な塗装結果が得られないか。後輩の、たった2回塗りの「ねじれ君」にいともたやすく抜かされたのか。これはひとえにゆず肌放置が原因だ。ゆず肌が多少残っていて、それにより少し表面が荒れていた場合、多少研磨して表面をそこそこ平らにはする。そして次の塗装に期待してしまうのだ。次こそはこの忌々しいゆず肌の凸凹がとれるだろうと。次には消えなくても回数を重ねればいずれゆず肌はきれいに消えるだろうと。ここまで回数を重ねて分かったことはゆず肌に多少の研磨を加えて次の塗装をしっかり行っても必ずやっぱりゆず肌が生き残っていることだ。回数を重ねても消えない。いつまでも消えないのだ。掛け算ができない中学生はたとえ大学生になっても掛け算ができないのと同じ原理。どこかで決着をつけない限りその後の努力は空振りに終わってしまう。塗装→研磨→塗装、ではなく研磨→研磨→研磨→塗装、が正解だ。回数はそのあとについてくる。山高きが故に貴からず。

     

     

     

    もう一つ、わずかな不満点はある。薄目のカシューで簡単に液だれが生じること。(↑)ただしこれはおそらく簡単に解決可能だ。過去の例からいってよく乾いた後丁寧に研磨すれば跡形もなく消える。写真は「ねじれ君」の液ダレ。②色彩の貧弱さ、これはおそらく下塗りの「ナチュラルイエロー」がいまだ上塗りに強く残っているからだ。好みにもよるが安っぽい色調だ。なぜか。過去に最も成功したひょうたんのカシュー塗装は全12回の塗装で「ネオクリアー」7回、「クリアー」5回の内訳だ。「クリアー」は「ネオクリアー」よりもう少し飴色がかっている。琥珀色より少し薄みがかった感じだ。この2種類のカシューの塗装回数で色合いの調節ができる。ただし、一度濃くした色は二度と薄い色調には戻らない。「ネオクリアー」にもわずかに琥珀色の色調がついており、重ね塗りするたびにそれが微増する。臆病な筆者は未だに「ネオクリアー」しか今回の「新カシュー法」群のひょうたんで使っていない。そろそろ琥珀色の色調を出して勝負だ。

     

    前置きがくどい。今回の塗装対象は前回とほぼ同じだ。前記した通り、カシュー「クリアー」を使用する。このためカシュー量産先行試作組下塗りクリーム・オレンジの大きな「ごつ」は色調がますます濁りそうなので対象外にした。カシュー量産先行試作組下塗り黄色 / クリーム4個「単黄」「ペペ」「ぼうくん」「バラバラ君」、リベラカラー着色組2個のうち「ねじれ君」計5個。ゆず肌が比較的目立つのが「バラバラ君」だ。2つ前の写真でも「バラバラ君」は一見きれいに見えている。写真ではわかりづらいがよく見ると細かなゆず肌が一面に見えるのだ。これ以外の5個はさっと800~1000番相当3M ULTRAFINEで磨く。問題はこの「バラバラ君」。型のごとく360~600番相当3M SUPERFINEで磨く。いつもなら通り一遍でおしまいにするが今日はしつこい。光にかざすとわずかにゆず肌が見える。見えなくなるまで徹底的に磨く。10分近くも格闘していると、何とかゆず肌が目立たなくなってきた。今日の下準備はくどいようだが徹底的だ。へとへとになった後、ようやく曇天を背に例のごとくスプレーガンを準備。「吹付用シンナー」「クリアー」の比率は前回同様6対4。助手の清兵衛を呼び、慎重に開始。厚塗りしないよう、重ね塗りしないよう、あっさり、丁寧に行う。カシュー、シンナーを一回補給するも間もなく終了。あっけない。くれぐれも次の塗装には期待しない。計5個のひょうたんは塗装ブースで休憩中。果報は寝て待て。

     

     

    平成25年11月10日        成果確認

     

    表面の滑らかさは「バラバラ君」も含め完璧に近い。色彩はもう少しの段階。(↑左右)左は「ねじれ君」3回目カシュー終了後。右は「バラバラ君」9回目終了後。「ねじれ君」の液ダレはきれいに消えている。終着駅の灯は近い。

     

    3Hウレタンクリアーを進めよう。            御無沙汰しています。お先に、カシュー君。

     

    平成25年11月13日        快晴 / 3Hウレタンクリアー2回目

    3Hウレタンクリアーが進んでいない。「新カシュー法」がひと段落したところで、3Hウレタンクリアー系を動かそう。とにかく前進あるのみ。「クラッシュ3」、「クラッシュ1」を800~1000番相当3M ULTRAFINEでよく磨き、朝もやが消えたころから3Hウレタンクリアーをスプレーガンで塗装する。3Hウレタンクリアーとしては2回目だ。推奨通りA液20 ml、B液5 ml、シンナー20 mlとした。ノントラブルで終了か、と思ったらクラッシュ3の吹付が少ししつこかった。少し口の近くが液だれしそうだ。大変と思い、まずはあわてる。少しでも垂れないようにと口に刺さった割り箸を水平にし、焼き鳥のごとく空中でくるくるゆっくり回した。こんなことしてどうにかなるのか、と思いつつ回して待つこと5分、よく見てみると液垂れが消えている。ほっとして塗装ブースへ収納する。

     

    平成25年11月14日        眠い朝 3Hウレタンクリアーご破算、8号ストップシーラーへ戻る

     

    昨日の成果を見る。「クラッシュ1」が大いに不満足。

     

    写真上左右は左から「クラッシュ3」「クラッシュ1」。(↑)左の「クラッシュ3」はとりあえず合格レベル。右の「クラッシュ1」は表面のでこぼこ感が残っている。カメラの性能が悪く、表面の状態がうまく映っていない。あからさまなゆず肌ではないが、平滑感に乏しい。おそらく1回目3Hウレタンクリアーの前の中塗りが良くないのが原因。前回10月13日の1回目3Hウレタンクリアー塗装時点ですでにその前の中塗り・8号ストップシーラーのゆず肌が残っており、甘い基準で見過ごしていたのだ。何度も言うように中塗りの失敗は上塗りでカバーできない。失敗は元から絶たないといけない。塗装の世界では「前進あるのみ」は禁句だ。あえて言うなら「SLOW BUT STEADY」だ。眠い朝に反抗するように意を決し「クラッシュ1」を360~600番相当3M SUPERFINEで思い切り徹底研磨する。昨日の3Hウレタンクリアーは身慈悲にも剥げ落ち、中塗りの「8号ストップシーラー」が出てきた。こいつがゆず肌の犯人だ。これを始末しないと次の段階には行けない。さらに頑張って研磨。一通り以上に滑らかになったと安心できるまで研磨した。その勢いを利用し素早くスプレーガンの用意をしてしまう。スプレーガンのカップにさっさと「8号ストップシーラー」を流し込む。A液、B液、シンナーの比率は1:1:0.5とシンナーを多少多めにする。吹き上がった時に少しゆず肌状が見えた。(↓)

     

    乾いた後憮然としてシャッターを切る。(↑)白い光沢が4点映っているが、12時方向のものにご注目。無数のゆず肌が笑っているのがわかる。落ち込む。

     

    平成25年11月15日        三歩進んで二歩さがれ。 / 出戻り8号ストップシーラーもご破算、水性スプレー缶再登場。

     

     

    トンネルを抜けるとまたトンネルだった。(↑)

    3Hウレタンクリアーとはそもそもどんなものだろう。仕上げの上塗りに使うものだとは読者諸賢にもお分かりいただけると思うが、なぜそれにこだわるのか。ここでその素性を一応明らかにしておこう。筆者が大変信用を置いている「おもしろ塗装工房」さんのホームページより引用する。「今まで以上に固いウレタン塗料です。従来のウレタンクリヤーはおおよそH~2Hの硬度ですが、3Hウレタンクリヤーは最大硬度が3~4Hと、UV塗料とほぼ同じ硬さの硬度を保てます。※ともかく固いウレタンを希望しているルアーマンにお勧め!※完全無黄変タイプなので、黄変で悩んでいるビルダーの方にはお勧めです。」以上が「3Hウレタンクリアー」に関し筆者が知りうる情報のすべてだ。ダイヤモンドのように硬質で、滑らかなガラス質にくるまれたひょうたん、それが虹色に光を放つさまが目に浮かぶ。うたい文句の通り以上に仕上げたい。現実の曇天に背中を向けつつ360~600番相当3M SUPERFINEを引っ張り出してきた。以前にも出てきたゆず肌キラーだ。甘い基準で見過ごしていたゆず肌はこれで一掃しよう。ターゲットは上塗りに3Hウレタンクリアーを使用予定だったひょうたん3個すべて。「クラッシュ1」、「ゆず肌1号」、「ゆず肌2号」。ただし「クラッシュ3」のみ不思議とゆず肌が少なく今回の徹底逆戻り研磨から対象除外。

     

    因幡の白ウサギ状態に研磨してある「クラッシュ2」(↑)(7月27日の3連続写真も参照)。3Hウレタンクリアー法も心ともなくなってきたのでこれも今回から3Hウレタンクリアー法の仲間に入れよう。ちなみに先端の角(つの)は美的センスにかけるのであっさり切断。割り箸を通した時も少しの力でこの角が割れてしまうので、この際無しに。よく磨かれているのでさすがにここから下塗り水性スプレーをスタートしてよいだろう。さて、「クラッシュ1」は昨日以上に徹底的研磨を加える。白・オレンジ水性ペイントツートンの「ゆず肌2号」「ゆず肌1号」も同様に徹底カワハギの刑。計3個。無慈悲にも片端から360~600番相当3M SUPERFINEで完全研磨した。ゆず肌を含む中塗りの「8号ストップシーラー」を根絶やしにし、さらに下塗りの水性ペイントも容赦なく削ってゆく。ここ最近気性が荒い。鼻息も荒い。

     

    上の写真左は前回の中塗り8号ストップシーラー上に現れている「ゆず肌2号」のゆず肌。おなじみだ。(↑左)写真右はそれを徹底的に研磨した後の様子。(↑右)希望の見えない厚い雲から薄日がさしてきたころようやく研磨終了。勢いを買って出戻り下塗り水性スプレー噴霧に突入する。数時間間隔で各ひょうたんともしつこく数回スプレーした。「クラッシュ1」、「クラッシュ2」ともに白・金メタリックグラデーション塗装にする。以前から感じていたが、グラデーション塗装の場合、最後に白を吹きかけた方が逆のパターンよりはるかにきれいに仕上がる。

     

    写真左は水性スプレー完成後の「クラッシュ1」「クラッシュ2」。(↑左)写真右は「ゆず肌2号」「ゆず肌1号」。これから必殺因縁の8号ストップシーラーに挑戦する前の記念写真。緊張感で各ひょうたんとも表情が険しい。

     

     

    平成25年11月16日        せわしない週末 / 8号ストップシーラー噴霧再挑戦1回目

     

    週末の筆者の日常(のイメージ)

    もたもたしているうちに週末になった。その週末の押し迫った夕方に行動開始。重くよどんだ時間をきれいなスプレー噴霧で吹き飛ばそう。重い腰を上げドタバタ準備開始。痛恨のゆず肌はいつもこの8号ストップシーラーが原因となっている。しかしこの中塗り工程を省略すると塗装が「クラッシュ」したのは記憶に新しい。何とか成功させなければ。「クラッシュ1」、「クラッシュ2」のみ金色塗装部分をやすりがけせず、そのままの地肌に8号ストップシーラーを吹き付けてみよう。金色の粉(フレークと呼ぶらしい)がざらざらしている感触を8号ストップシーラーで封じ込めたい。少し新たなトライアルだ。機は熟した。この日のために新しい8号ストップシーラーをわざわざ購入しておいた。おろしたての8号ストップシーラーのふたを開け、調合する。今まではA液:B液:シンナーの割合を1:1:0.5にしていた。推奨通りだが今回シンナーの比率を上げた。推奨値の中で最も高い1:1:1までシンナーを多くしてみた。では突撃開始。「クラッシュ1」、「クラッシュ2」と順次噴霧を進めるも極めて順調。次。「ゆず肌2号」。当然のごとくきれいな仕上がりを期待していたが、なんと無数のゆず肌が出現。(↓)愕然とくる暇もなく、本日終了。「ゆず肌1号」の噴霧は急きょ中止。暗い影が夕闇に伸びる。

     

    絶句。ゆず肌の、厚き塗装に触れてみて、よろしからずや道が見えない。寝る。

     

    暮れる夕日を寝室より望む(イメージ)

     

    平成25年11月17日        寒いが晴天 / 8号ストップシーラー噴霧再挑戦2回目

    昨日の雪辱を晴らそう。対象は昨日と同じまずはひょうたん群計4個「クラッシュ1、2」+「ゆず肌1、2号」。加えて「スタイル君」の計5個。

    「クラッシュ1」はもともとグラデーションの色合いがとても良い。一方で下塗り水性スプレー後あえて研磨してないせいか少し表面のざらつきが残っている。今回の中塗り「8号ストップシーラー」に期待する。

     

    「クラッシュ2」は因幡の白ウサギ状態にした時のまだら模様が金色部分に若干残っている。(↑)写真では見えにくい。昨日同様研磨しないで中塗り「8号ストップシーラー」を噴霧しようと思ったが、表面の粗さがどうしても見過ごせない。ので、仕方なくそっと800~1000番相当3M ULTRAFINEで研磨した。研磨後案の定まだら模様のゴールドの下塗り部分がわずかに見えている。もう一回水性スプレーゴールドを加えるか、と思ったが、このまま中塗り「8号ストップシーラー」へ。やってはいけない「赤信号無視」、「突撃あるのみ」だ。結果を見て色むらが残れば今度は「8号ストップシーラー」に同系統の水性ステインを混ぜてごまかしてみようと言い訳する。因縁の「ゆず肌2号」。徹底的に研磨しようかとも思ったが、昨日確認したゆず肌が若干小さくなっているような気がする。このまま「8号ストップシーラー」を重ねて噴霧してみよう。ダメならまた徹底研磨だ。しばらくお休み中だった「スタイル君」。「8号ストップシーラー」を2回塗りカシュー噴霧へ進んだところ、急にゆず肌が大出現している。大慌てで360~600番相当3M SUPERFINEで研磨し、その後放置、今日に至る。この機を逃すと後がない。よく見るとゆず肌がうっすら残っている。今日はどうしてもゆず肌を作りたくない。意を決してスプレーガンの時間となる。

     

    気休めかもしれないが、「8号ストップシーラー」とそのシンナー、本日噴霧予定のひょうたん群を寒空の下に置いて、あえて冷やす。(↑)冷たく放置しているの図。暑いとゆず肌ができやすくなりそうだからだ。A液:B液:シンナーの割合は昨日同様1:1:1。念のため清兵衛も呼ぶ。スプレーガンの準備を整え一斉にスタート。ゆず肌の出現はなさそうに進んでゆく。ここまでは成功だ。因縁の「ゆず肌2号」!若干のゆず肌様だが、許容範囲。最後の「ゆず肌1号」になる。水性ペイントで下塗りした後、今日が出直し初の中塗り「8号ストップシーラー」噴霧だ。緊張する。最初なのでたっぷり噴霧しようと意気込む。それがいけなかった。あっという間にゆず肌がぼつぼつと出現。

     

    写真上は白い頭にできた「ゆず肌1号」。よく見るとたくさんのゆずがひしめいているのがわかる。肩を落として本日の噴霧終了。

     

    平成25年11月18日早朝        限りなく快晴 / 8号ストップシーラー噴霧再挑戦3回目

    そろそろ中塗り「8号ストップシーラー」の段階も締めくくりにしたい。何が何でも今日こそは満足のいく成果を得たい。対象は昨日と同じ。早起きし、熱心にやすりがけ。ゆず肌1、2号は360~600番相当3M SUPERFINEでよく研磨、その他は800~1000番相当3M ULTRAFINEでそっと研磨。下塗りが出ないように注意する。寒空の下に置いて、多少冷やすのも昨日同様。噴霧の前に反省点。昨日噴霧を頑張ったひょうたん全面、ないしひょうたんの一部分に比較的ゆず肌が出る傾向にある。一回の通過で軽く噴霧した場所にはゆず肌がでない。それを肝に銘じスプレースタート。シンナーの比率は同じ。あっという間に終了。

     

    注目の「ゆず肌1」には大なり小なりゆず肌が出現。(↑)上の写真はもう見飽きたと思うが「ゆず肌1号」のゆず肌。「ゆず肌2号」の方はわずかにゆず肌を認めるもかなりきれいな表面へ。その他は同じ条件ながらほとんどゆずができず、おおむね満足。

     

    平成25年11月18日昼        昼飯半分、残りはリターダー。 / 8号ストップシーラー噴霧再挑戦4回目

    昼食を早めに切り上げ中塗り「8号ストップシーラー」に最後の挑戦。これでだめならこの企画は企画倒れにしよう。朝と同じく研磨。中塗りはこれで打ち止めにしたい。以前少しだけ紹介した「リターダー」を使用することにした。A液:B液:シンナーの割合1:1:1は同じで、リターダーをシンナーの十分の一量加える。半信半疑でいざスタート。あくまで噴霧はあっさり、粘ってはいけないと思いつつ噴霧の霧は晴天に向かう。ゆず肌は?できていない。成功だ!すべてのひょうたんをあっさり気味に抑えてあっけなく終了。気分が良い。リターダー、おリコーダー。自宅のリビングより(のイメージ)

     

    平成25年11月20日        3Hウレタンクリアー再挑戦1回目

    昨日の成果確認。「ゆず肌2号」の白い部分に一部「ちじみ」ができている。塗装後の乾燥過程が異常ででこぼこする現象だ。わずかな範囲で、しかも360~600番相当3M SUPERFINEでよく研磨するとすぐにきれいになった。その他は完璧。やっと3Hウレタンクリアーの工程へ進める。対象は同じ。「クラッシュ1、2、3」と「ゆず肌1、2号」。すべて800~1000番相当3M ULTRAFINEでそっと研磨しておく。主液4、硬化剤1、シンナー 4の割合とした。前回失敗したときに比べシンナーの比率が規定値の上限いっぱい、前回の2倍と薄めにした。ためらわずすぐにスタート。あっさり目にスプレーを心がける。大きなトラブルもなく順次終了。

     

    平成25年11月29日        3Hウレタンクリアー再挑戦2回目

    3Hウレタンクリアーの2回目に進む。1回目の結果はかなり満足。「ゆず肌2号」の白い部分に再び「ちじみ」出現。(↓)

     

     

    360~600番相当3M SUPERFINEでよく研磨しかなり目立たなくなる。他はきれいなので研磨なしで2回目に挑戦。さっそくスプレースタート。主液4、硬化剤1、シンナー 4の割合は一回目と同じ。「ゆず肌1号」で少し粘ったためか「たれ」少々3すじが白い部分にできてしまった。明日になったら削ろう。他は無事終了。

     

    平成25年11月30日        夕日とともに 3Hウレタンクリアー再挑戦3回目

    もたもたしているうちに夕方となった。3Hウレタンクリアーを仕上げたい。今日は3回目だ。「ゆず肌2号」に相変わらず「ちじみ」あり。昨日同様360~600番相当3M SUPERFINEで軽く研磨。昨日確認した「ゆず肌1号」の「たれ」は思ったほど目立たないがやはりそっと360~600番相当3M SUPERFINEで軽く研磨しておく。その他は1000~1200番相当の3M MICROFINEで穏やかに研磨。不安な夕日を背に受けつつスプレースタート。あっけなく終了。用具をかたづけた。今日の結果が良ければ3Hウレタンクリアーの工程は終了だ。果報は寝ても待ってもいられない。。

     

    平成25年12月1日        3Hウレタンクリアー線終着駅の輝き

    「ゆず肌1号」の液だれの跡はほとんどわからない。オレンジ色へ移行するグラデーションの一部に不満。いずれ直そうと思う。「ゆず肌2号」のちじみはますますひどくなっている様子。徹底的に中塗りから削りなおす必要あり。しばらく「ゆず肌1、2号」は保留にしよう。もしかしたら下塗り段階から考え直さなければいけないかも。残念。「クラッシュ1、2、3」は合格。3Hウレタンクリアーは思ったよりとてもきれいだ。以下せっかくなので「クラッシュ1、2、3」をまとめて講評しよう。

     

    完成品塗装表一覧

     

     

    *Fクラッシュ1

     

    (↑左右)「クラッシュ1」完成図。色合いは良く、上部水性スプレーホワイトと下部ゴールドのグラデーションが秀逸。表面の平滑感も良好。ゴールドメタリックの質感もうまく表現されている。色むらもない。カシューと比べると塗装の深みがやはり浅いと思う。やや素気ない。同じく塗装回数3回目のカシュー塗りと比較するとよくわかる。塗装評価をすると10点満点中の7点だ。形状評価は好みにもよるが不安定さを考慮し厳しい5点とした。K分類でも低評価のⅡBとなる。

     

    上の写真はカシュー3回塗装後の「スタイル君」と「クラッシュ1」との拡大比較写真。(↑左右)。光の映り込みに注目してほしい。明らかにカシューの映りが良い。3Hウレタンクリアー塗装3回ではまだ足りないのか、元々の性能によるものか。はたまた筆者の腕が未熟なのか。

     

    *Gクラッシュ2

     

    (↑左右)「クラッシュ2」の色合いは良好。上部水性スプレーホワイトと下部ゴールドのグラデーションが秀逸。ゴールドメタリックの質感はそこそこの表現。一部塗装ムラが残るのが致命的。表面はほぼ平滑。塗装の深みはカシュー未満。そのうち妙案があれば解決しよう。思い出は尽きない。努力賞ものだが塗装評価はぎりぎり合格の6点だ。形状評価は高く9点とした。K分類では最高のⅥBとなる。

     

    *Hクラッシュ3

     

    (↑)「クラッシュ3」完成図。色合いはとても良好。上部水性スプレーホワイトと下部ゴールドのグラデーションも上手だが、白い部分が少なくややおとなしめ。ゴールドメタリックの質感は大変良い。表面の平滑感も良好。ゴールドメタリックの質感もうまく表現されている。色むらもない。塗装評価は3Hクリア法では最高の8点とした。これでもひょうたんか、と思う形状は好みの差が激しいが、形状評価はK分類のⅣBであり5点とした。形を抜きにすれば完成度は高い。

    3Hウレタンクリアー工程はこれで終了とする。

     

    新カシュー法最終決戦        全軍突撃せよ

     

    平成25年12月5日        早朝に映えるカシューの幻影

    小題が昔の2時間ものドラマのようだ。3Hウレタンクリアー工程が終わったので、今度は新カシュー法の番だ。こちらもようやく最終戦の雰囲気が伝わってくる。その日、目が覚めると青空だった。昨日から予習をしっかりしておいた。1200~1500番相当3M MICROFINEですべてのひょうたんにやすりがけしておく。今まで使っていた800~1000番相当3M ULTRAFINEより一ランク目が細かい。「ぼうくん」の一部に軽い液だれあり。これは360~600番相当3M SUPERFINEでそっと磨き、順次細かく磨いた。結果、思ったよりきれいになった。塗装対象は「新カシュー法」の例の面々。カシュー量産先行試作組下塗り黄 / クリーム4個「単黄」「ペペ」「ぼうくん」「バラバラ君」、リベラカラー着色組2個「ねじれ君」、「スタイル君」。カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・ゴールドの大きな「ごつ」計7個。「吹付用シンナー」「クリアー」の比率は前回同様6対4とした。準備は万端。清兵衛にも協力要請。型のごとく噴霧開始。基本は一回通過、薄塗り気味、吹き残しなし、で同じ。全量50 mlで開始するも途中で燃料切れ。同じ分量を補充するもまたして使い切り、大慌てで3回目少量を補充し、無事終了。可能な限り塗装ブースに収容。人事を尽くして天命を待つ。

     

    平成25年12月6日

    朝が来た。寝室からバルコニーに出てみると朝日が爽やかに昇ってきた。まぶしい。あくびをしていると執事が温かい紅茶を運んできた。川のせせらぎの向こうから小鳥のさえずりが遠慮がちにきこえる。

     

     

    何かがおかしいと思っているうちに目が覚めた。清流の響きはしない。執事も来ない。塗装待ちのひょうたんが威張って待っている。ただいま伺います。昨日の出来具合を拝見させていただきます。

     

    まず、「ねじれ君」。4回目終了後。(↑)わずかだが液だれができている。昨日の吹付けは少々頑張りすぎたようだ。

     

    「バラバラ君」10回目終了後。(↑)よく見るとふたスジの液だれが見える。何とかしよう。それにしても光沢感のなんと素晴らしいことか。その他のひょうたんはまったく問題なし。かなりカシューの琥珀色の色調もついてきている。「ねじれ君」、「バラバラ君」ともにそっと液だれの部分のみ360~600番相当3M SUPERFINEでみがき、次に800~1000番相当3M ULTRAFINE、最後に全面を1200~1500番相当3M MICROFINEで軽く磨いた。

     

    800~1000番相当3M ULTRAFINEで液だれ部分を磨いた状態。(↑)ほとんどわからない。勢いを借りすべてのひょうたんを1200~1500番相当3M MICROFINEで軽く磨く。塗装へ進もう。塗装対象は昨日と同じ。昨日は燃料切れで少しあわてたが、今日は節約して使う。液だれするほどざぶざぶ吹きかけてはいけない。全量100 mlとした。噴霧開始。清兵衛との共同作業だ。「ねじれ君」「バラバラ君」のツルをじかに持ってゆっくり回しながら均等にスプレーできるよう心掛ける。しかも一回通過、薄塗り少量のみ。吹き残し無し。意外と難しいが頑張る。すべて噴霧し終わった後でスプレーガンのカップを見ると、まだわずかにカシューが残っていた。燃費はとても良好。

     

    平成25年12月7日        最終救難艇 / 理想郷への道のり

    そろそろ新カシュー法も一番塗装回数が多いもので10回を数える。最も少ないもので「スタイル君」の2回、「ねじれ君」の4回だ。塗装の終了をどの回数で区切るか厳密な決まりはない。小学校は6年間で終了だが、塗装の完成は当然回数で決めることはできない。当然その「質」で決まる。筆者の基準は深み、色合い、失敗の有無、の3点で決めている。昨日までの塗装で、合格はカシュー量産先行試作組下塗り黄色 / クリームのうち「単黄」、下塗りクリーム・オレンジの大きな「ごつ」とした。その他は合格ラインに肉薄するがまだ不合格だ。

                

     

    写真上左は「ねじれ君」5回終了後の様子。(↑左)惜しいかな、新たにひとすじの液ダレ発生。「失敗あり」だ。写真上右は昨日同様やすり掛けし、少し目立たなくした状態。「バラバラ君」、写真はないが塗装一部が薄すぎて不完全。「失敗あり」の判定。「スタイル君」、トータル2回で「深み」「色合い」不足。その他なんだかんだで塗装がストップしているものを今日は集めてきた。カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・オレンジ「液ダレ」、その他名前も付けられていない小型ひょうたん2個、合わせて6個が最終便搭乗者となる。これを最終便としよう。遅い昼から行動開始。カシューは色調重視のため再度「クリアー」。その他条件も同じ。どうしても液ダレを作りたくない。かといって「ぼうくん」のようにうす塗り部分禿も困る。真剣勝負だ。助手の清兵衛も真剣だ。考える間もなく終了。結果判明は明日だ。

     

     

    新カシュー法の戦いは続く。    最後まで戦い抜く、部分筆塗り戦法

     

    平成25年12月8日        最終救難艇出航中止。ゲリラ戦で踏みとどまれ

    DLC 3314 24%

    ゲリラ戦で戦争に勝った軍隊はない。負けないだけだ。以前見た「肉弾」という映画で青年がまたがっていた魚雷。(かも)

    小題が勇ましいのは内容がしょぼい証拠だ。「ねじれ君」の液ダレがまだ残っている。(↓左)それと下の球南半球の約 1/3 に塗装が薄い一帯発見。(↓右)おそらく成形加工時にパテ盛りした部分で、他の部位よりカシューの乗りが悪いようだ。

     

    色むらは以前お話しした通り宿命的。これらの不都合を置き去りにして完成としたくない。

     

    「バラバラ君」の様子。(↑左)一部色が剥げている。写真ではわかりづらい。他の部分が完璧に近いのでなおさら目立つ様になってきた。ゆず肌を必死になって削った時の後遺症だ。反対側にも小さな失敗傷がある。(↑右)その他よく見ると「ペペ」「ぼうくん」の一部下の球南半球 1/2 に塗装が薄い部分発見。これらをさっそく補修しよう。ここで多少やり方を変えてみる。今まで通りのスプレーガン方式では不都合な部分のみを改修することはできない。筆塗りを活用しよう。筆塗りを数回不都合な場所のみに繰り返し、ある程度めどが立ったら最後にスプレーガンで塗装し終了とする計画だ。さっそくなじみの筆を用意。塗装用シンナーとカシュー「クリアー」の比率は2対8で少し濃いめとする。部分筆塗りの対象は「バラバラ君」、「ねじれ君」、「ペペ」、「ぼうくん」。カシューは少量のみ用意しこじんまりと筆塗り開始。筆を塗った一瞬にゆず肌が見えた気がしたが、何度もこすっているうちにゆず肌は消失。脂汗がにじむ。すべての不都合な部分をゆっくり丁寧に塗ってゆく。スプレーガンの、あっという間に終わる作業と対照的だ。何とか無事終える。

     

    平成25年12月9日        部分筆塗り1回目結果確認&部分筆塗り2回目実施

    昨日の成果確認。気になる。まずは「バラバラ君」。

    写真ではわかりづらいが液だれ部分は多少改善。塗装の薄い部分もきっちり塗れている。狙い通りだ。あと数回同じ「部分筆塗り」をすればかなり良くなるだろうと勝手な期待。

     

    「バラバラ君」の部分筆塗り後。(↑左右)写真ではかえって目立つようだが、実際は改善傾向。「ペペ」、「ぼうくん」の一部下の球南半球 1/2 塗装が薄かった部分もしっかり塗装されている。方向は正しい。スプレーガン塗装の後筆塗りをしてあることに気付いた。それぞれの塗装面を比べると圧倒的にスプレーガン塗装の部分が滑らかだ。残念だがカメラの性能が追い付けずお見せできない。塗装が高性能化し、筆者の低性能なカメラではもう表現しきれない。接写レンズをそのうち用意しよう。夜のとばりも更けて、周囲が静かになってきたころ、部分筆塗り1回目の後の研磨を開始。「ねじれ君」、「バラバラ君」が対象。800~1000番相当3M ULTRAFINEで丁寧に研磨する。研磨しながら思ったが、筆塗り、スプレーガン塗装の境目が比較的はっきりわかる。わかるのでついついその周辺を大きく研磨したくなる。すると結局研磨の範囲が広がりさらに筆塗りの範囲も拡大する。拡大再生産になってしまわないようなるべくギリギリの線を心掛けて研磨する。意外と細かい手作業だ。何とか終了。次いで部分筆塗り2回目を行う。「バラバラ君」、「ねじれ君」のみを対象。「ペペ」、「ぼうくん」は部分筆塗り1回で効果十分。塗装用シンナーとカシュー「クリアー」の比率は1回目同様2対8で濃いめだ。注意深く塗装を行う。が、意外にすぐ終了。塗装面積が小さいことを実感。全量で数mlしか使用していない。成果を期待しつつ終了。

     

    たまには

    一回お休みも

    いいもんだ。

     

    平成25年12月11日        部分筆塗り3回目実施

    早朝、さっそく昨日の結果を確認。なかなかうまく塗れていると思う。重ね塗りは七難隠す。1200~1500番相当3M MICROFINEで十分研磨した後、3回目部分筆塗りを施行した。条件は今までと同じ。すぐに終了。

     

    新カシュー法へ戻る            持久戦。降伏せず。

     

    平成25年12月12日        王手 / 新カシュー法戦線再開

    3回目部分筆塗りもうまくいっている。部分筆塗はこれで終了にしよう。再びカシュークリアーのスプレーガン塗装に戻そう。王手をかける。「ねじれ君」「バラバラ君」のほか、カシュー3回にとどまる「スタイル君」、部分筆塗り1回のみ施行の「ペペ」、「ぼうくん」、合計5個だ。部分筆塗りの箇所は意外と表面がざらついており、800~1000番相当3M ULTRAFINEでそっと磨き、その後その他の部分も含め最後に全面を1200~1500番相当3M MICROFINEで軽く磨いた。昼過ぎドタバタしながらスプレーガンの準備をし、最後の塗装と思いスプレーガンを握る。気持ちとは裏腹に一回通過、薄塗り気味、吹き残しなし、で素早く終了。健闘を祈る。

     

    平成25年12月13日        木枯らし舞う日。カシュースプレー再開1回目確認

     

     

    木枯らしが賑やかで今日は塗装できない(↑)。写真に写る落ち葉の行方が気になるが、昨日の成果も気になる。まずはカシュー6回目となる「ねじれ君」。かなりよい出来栄えだ。ただしよく見ると一部塗装の薄い部分がある。さらにあらさがしをすると部分筆塗した後にスプレー塗装した場所はスプレー塗装のみの場所に比べ若干表面の平滑さが劣るようだ。

     

    上写真はその比較。(↑左右)左写真の上方映り込みはスプレー塗装のみの部分。あくまで平滑だ。それに対し右写真は部分筆塗り後スプレー塗装したもので、映り込み部分を見ると平滑さが若干劣る。次にカシュートータル12回目後の「バラバラ君」。

      

     

    色の剥げている部分2か所(↑左右)。若干周囲と同化した感じがするが、厳しい目で見るとまだまだ。その次カシュー4回目となる「スタイル君」。

     

    (↑)。残念ながら一部液ダレあり。そのほかの部分は完璧なのに。次回に期待する(―_―)!!。その他「ペペ」、「ぼうくん」は完璧レベル。めでたく終了とする。

     

    平成25年12月14日        王手2回目、カシュースプレー再開2回目

    「ねじれ君」、「バラバラ君」の決着をつける。液ダレのできてしまった「スタイル君」も最終段階。朝から少しづつすべて1200~1500番相当3M MICROFINEで磨いておいた。液ダレの部分は800~1000番相当3M ULTRAFINEでそっと磨く。今日は風もなく穏やかな日だ。遅い夕陽を見ながら作業開始。王手再挑戦だ。手順は同じく「吹付用シンナー」「クリアー」の比率は同様6対4。全量50 mlで十分。すぐに終了する。

     

     

    平成25年12月15日        発想の転換をしよう。

    上の写真左側(↑左)は完成した「ペペ」の口に刺した竹箸。塗装の履歴がわかるよう、塗装するごとにマジックで印をつけている。その一つ一つの印が自然の「美」に挑戦する。上の写真右側(↑右)は芸術と自然が対話中。この日も朝早くから結果が気になる。「ねじれ君」のお尻にごくわずかな液ダレを発見。「バラバラ君」の完成度は相変わらず高い。良くも悪くも著変なし。急に逆の見方が悪魔的に浮かんできた。今まであまり気にしなかった「ねじれ君」のしつこい色むらと、「バラバラ君」の一部しつこく消えない色はげが目立ち始めてしまった。それらに関し部分筆塗りや塗装回数の多さでいつかは修復されるだろうと今日まで頑張ってきた。しかし目立った進歩がない。「ねじれ君」、「バラバラ君」はこのままの方法では永遠に完成しないことに気が付いた。臥薪嘗胆、再起を志すのが得策だ。きちんと完璧に仕上がるよう時期を見計らって工夫しよう。「新カシュー法」で蓄積された知識、経験を土台にして次回こそはこの塗装戦線を正面突破するつもり。捲土重来、こうご期待。「ゆず肌1、2号」も未完成で、次回に期待だ。今回の「新カシュー法」で合格した計5個の内訳はカシュー量産先行試作組下塗り黄色 / クリーム3個「単黄」「ペペ」「ぼうくん」、リベラカラー着色組1個「スタイル君」。カシュー量産先行試作組下塗りクリーム・ゴールドの大きな「ごつ」。

    DSC

     

    塗装編1まとめ        まとめは科学で経験は芸術だ。

     

    まとめてみた。最初に期待した塗装方法と少し違う結果となった。完成したひょうたんも多いが未完のままのそれもある。未完のそれは続編に続く。

     

    完成品塗装表一覧(一部未完成)

     

     

    塗料・塗装法組み合わせ表 @最終版

     

     

    ○筆者の主観に基づく。あくまで塗装は自己責任で。

     

    この二つの表を見ながら現時点で完成したひょうたんのまとめをしてみよう。今回最後まで粘った「新カシュー法」だが、一部未完成なのは残念。「新カシュー法」の主目的の一つ、筆塗りの廃止とスプレーの多用は達成できた。もう一つの目標、下塗り→上塗りのみで、中塗り廃止も結果より考えると十分正しいことが分かった。「3Hウレタンクリアー」の手法は紆余曲折あったが、「新カシュー法」と反対に必ず中塗りが必要だとの結論を得た。その際、中塗り8号ストップシーラーのスプレー噴霧はゆず肌などトラブル多発に注意が必要だった。

    「クラッシュ1、2、3」の講評はすでに平成25年12月1日3Hウレタンクリアー線終着駅の輝きで公表済み。そちらを参照されたし。

     

    *A    単黄 

     

    (↑)下塗りが水性スプレー単色黄色なので単黄。色合いは良く、下塗りの黄色とカシューの調和がとれている。色むらもない。表面はとても平滑で、深みも十分だ。塗装評価は最高の10点とした。形状評価としては口の部分に難があり、8点と少し下がる。K分類では最高クラスのⅥBとなる。

     

    *Bペペ

     

     

    色合いは良いが、下塗りのクリーム色とカシューの調和が完全ではなく多少のムラがある。表面はとても平滑で、深みは十分。ツバキのような跡も全く見られない。口の付近にわずかなざらつきがあり、塗装評価は9点とした。形状評価としては文句のつけようがなく10点満点とした。K分類でもⅥB。

     

    *Cぼうくん

     

     

    (↑)口の棒状のヘタが特徴。色合いは良く、下塗りのクリーム色とカシューの調和が完璧。色むらは全くない。表面はとても平滑で、深みも十分だ。塗装評価は最高の10点とした。形状評価は好みが分かれるところだがひょうたんらしさを買い9点とした。K分類はⅤBである。

     

    *Dスタイル君

     

    (↑)スタイルが良いのでスタイル君。色合いは良く下塗りの染料イエローナチュラルとカシュークリアとの調和も良好。色むらもなく、表面は意地悪く探せばゆず肌の名残を見つけるが大変平滑。深みもカシュークリア4回と少なめにしては十分。塗装評価は9点。形状評価はスマートさを買い9点。K分類はⅥB。

     

    *Eごつ

     

     

    手に取ると本当にごつい。色合いは二つの点で難点がある。一つは下塗り水性スプレーの上部クリームと下部ゴールドのコントラストが不明瞭。もう一つは下部ゴールドと上塗りのカシュークリアーやネオクリアーの色が合わず、濁る印象となっている。3Hクリアー法で述べるが、下塗りゴールドには3Hクリアーが良く似合う。色むらは少ないものの平滑さに欠ける。塗装前の下地段階で凹凸が残っており、塗装に影響がある。一方色の深みは意外と十分で苦労の甲斐がにじみ出ている。形状的にはひょうたんの迫力を感じさせ、細部に形状修正の信念を感じるが凹凸の残りもあり6点とした。K分類は堂々ⅥB。

     

    美術的ひょうたんの形状分類 (K分類)        既出

     

     

    研ぎ出し編へ続く

     

     

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